- 2025/12/26 掲載
米ServiceNow、AIセキュリティ企業Armisを77.5億ドルで買収
AI導入拡大に伴うセキュリティ強化を狙った戦略的な一手
買収は全額現金で支払われ、手元資金と負債の組み合わせで資金調達が行われる予定である。本取引は規制当局の承認および慣習的な完了条件を満たすことを前提に、2026年下半期に完了する見込みである。買収完了後、約950人のArmis従業員がServiceNowに加わる計画である。
ServiceNow側は、Armisとの統合により、ITやOT(オペレーショナルテクノロジー)、医療機器、IoTデバイスなどを含む企業の接続環境全体にわたる脅威の“可視化、判断、実行”が可能なエンドツーエンドのセキュリティエクスポージャー管理スタックを構築するとしている。これにより自律的かつプロアクティブなサイバーセキュリティのロードマップが加速すると説明している。
ServiceNowのプレジデント兼最高執行責任者であるアミット・ザベリーは声明で、AIの導入が進む現在、あらゆるクラウド、アセット、AIシステムにわたるインテリジェントな信頼とガバナンスが不可欠だと述べ、Armisとの統合により幅広い資産のリアルタイム保護を実現する戦略的なサイバーセキュリティ基盤を提供するとしている。Armisの共同創設者兼CEO、エフゲニー・ディブロフも、同社の技術がリアルタイムでリスクを把握し、インシデント発生前に行動できる能力を持つ点を強調している。
今回の買収はServiceNowのセキュリティ分野における市場機会を3倍以上に拡大させると期待されている。ServiceNowは2025年第3四半期に同分野で年間契約価値(ACV)が10億ドルを超え、すでに堅牢な基盤を築いていた。また、Armisは年間経常収益(ARR)340百万ドル超、年率成長50%超と高い成長を維持していると報じられている。
複数の金融メディアは、ServiceNow株価が買収発表後に一時下落したと報じている。投資家の間には買収規模や統合戦略に対する慎重な見方もあるが、同社はAIとセキュリティを融合した包括的なプラットフォーム戦略を強化する姿勢を示している。買収は2025年の一連の大型買収の一環と位置づけられ、MoveworksやVezaなどの買収に続くものとなる。
ServiceNowは今回の取り組みを通じて、AI導入拡大に伴う攻撃対象領域の拡大に対応し、企業がAIを安全かつ信頼性高く展開できるセキュリティ基盤の提供を目指している。本買収は、AIとセキュリティの統合が進むエンタープライズ市場における大規模な戦略的動きとして位置づけられる。
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