- 2026/06/22 掲載
ノーベル化学賞のジョン・ジャンパー氏、Google DeepMindからAnthropicへ電撃移籍
タンパク質構造予測AI「AlphaFold」の開発を主導
この画期的な業績により、同社のデミス・ハサビス最高経営責任者とともに2024年のノーベル化学賞を共同受賞している 。退職にあたりジャンパー氏は、ハサビス氏や開発チームに対する謝意を表明し、同社を特別な場所であったと回顧した 。一方のハサビス氏も、同氏がAlphaFoldを通じて科学と医療におけるAIの可能性を示したことを称え、これまでの貢献に感謝の意を示した 。ジャンパー氏は円滑な業務移行を確保するため、2026年末まではDeepMindに留まり引き継ぎ業務を支援する。
移籍先となるAnthropicは、近年バイオサイエンスおよび計算生物学領域への進出を急速に強化している 。同社は「AI-for-Science」という戦略のもと、物理的な実験室の自社保有やバイオテック企業の買収を進めており、科学研究の自律型AIインフラ構築を推進している 。ジャンパー氏の高度な専門知識と経験は、Anthropicが開発するライフサイエンス特化型AIモデルの進化に直結する 。一方で、今回の移籍の背景には、Google DeepMind内部における研究の方向性を巡る組織的なミスマッチが存在していた事実も指摘されている。
ジャンパー氏は近年、自身の専門領域である計算生物学から離れ、企業向けAIコーディングツールの開発統括に配属されていた 。Googleが競合他社に対抗してプロダクト開発を優先させた結果、最先端の基礎科学探究を志向する同氏との間に構造的な摩擦が生じていた 。
現在、巨大テクノロジー企業や新興AI企業の間ではトップクラスのAI研究者を巡る人材獲得競争が激化しており、Googleからは直近でも「Gemini」の開発を主導したエンジニアリング担当バイスプレジデントのノーム・シャジーア氏が競合のOpenAIへ移籍している 。ジャンパー氏の離脱は、業界におけるトップAI人材の流動化と、生成AI競争の主戦場が汎用モデルから科学的発見を自律的に牽引する特化型AIへと移行しつつある現状を明確に示している 。
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