- 2026/07/31 00:00 掲載
【GAFAM最新決算比較】マイクロソフト・AWS圧勝?市場が見抜く「AI投資」の決定差(2/2)
メタとアップル、正反対のAI戦略でも売られた理由
メタとアップルのAI戦略は対照的だ。メタはデータセンター、独自モデル、AI人材へ巨額の資金を投じる。一方、アップルは端末内処理や外部モデルの活用を組み合わせ、GAFAM各社ほど大規模なAIインフラ投資を進めていない。それでも、最新決算後には両社の株価がそろって下落した。メタの売上高は28%増の608億100万ドル(約9兆1,200億円)。広告表示回数は14%増、広告単価も12%上昇しており、AIによる広告精度の改善は数字に表れている。しかし、費用は55%増の420億2,600万ドル(約6兆3,000億円)に膨らみ、営業利益は8%減、純利益は14%減となった。フリーキャッシュフローも7億8,400万ドル(約1,176億円)まで減少した。米メタは年間設備投資を1,300億~1,450億ドル(約19兆5,000億~21兆7,500億円)と見込む。株価は発表後に約10%下落した。
アップルは売上高が16%増の1,094億ドル(約16兆4,100億円)、純利益が27%増の297億9,000万ドル(約4兆4,685億円)となった。iPhone、Mac、Servicesがいずれも4~6月期として過去最高となり、全社売上高と1株利益も同期間として過去最高を更新した。それでも、Servicesの売上高が市場予想を下回り、半導体やメモリーの供給制約、次四半期の弱めの見通しが嫌気された。株価は発表直後に約2%下落し、その後は説明会で供給制約などが示されたことから、時間外取引で約6%安まで下落幅を広げた。
投資しすぎても売られ、投資を抑えても将来の成長策が見えなければ売られるといった具合に、市場が求めるのは投資額の多寡ではなく、明確な回収経路だった。
結局どこが勝つ? 5社のAI投資「回収力ランキング」
同社はAzureだけでなく、Microsoft 365、GitHub、Dynamicsなどの既存製品にもAI機能を組み込み、法人顧客への追加課金につなげている。2026年度通期ではAzureの年間売上高が初めて1,000億ドル(約16兆円)を突破した。
ただし、これは12カ月分の数字であり、他4社の四半期売上高とは直接比較できない。あくまでAzureの収益化規模を示す補足材料である。四半期比較では、Microsoft Cloudの売上高593億ドル、Azureなどの成長率43%、全社営業利益406億ドルを見るべきだ。
2位はアマゾンだ。AWSのAI事業と半導体事業は、それぞれ年間売上高換算で250億ドル(約4兆円)を超えた。独自半導体Trainiumとクラウドを一体で提供し、AI利用の増加をAWSの売上高と利益へ結びつける構造を築いている。
一方、過去12カ月のフリーキャッシュフローは76億ドル(約1兆2,160億円)の赤字となった。アマゾンによると、主な要因はAIを中心とする設備投資が前年同期比で661億ドル増えたことだ。株価は上昇したが、投資負担が消えたわけではない。
3位はアルファベット。Google Cloudの82%増は圧倒的で、営業利益も大きく伸びた。検索広告、YouTube、Google Cloud、Workspaceを横断してGeminiを実装できるため、投資回収の入り口も多い。ただし、年間設備投資が最大2,050億ドルに達する見通しは重い。
4位はアップルである。端末、OS、App Store、Servicesという強固な基盤を持ち、巨額のデータセンター競争に正面から参加しなくても高収益を維持できる。もっとも、AIがiPhoneの買い替えやServicesの成長にどこまで寄与するかは、まだ十分に証明されていない。
5位はメタと評価した。AIによる広告改善はすでに成果を上げているものの、設備投資と費用の増加が利益やフリーキャッシュフローを圧迫している。ただし、これはAIの技術力や企業価値の順位ではない。あくまで最新四半期における投資回収の見えやすさを比較したものだ。
2026/07/31 13:13:一部誤解を招く表現を調整しました。
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