- 2026/07/31 14:12 掲載
米ミネソタ州「30超」の水道システムにサイバー攻撃、州政府が緊急対応
MNITは攻撃を受け、州のサイバーセキュリティ・インシデント対応機能を直ちに作動させた。被害を受けた地域への支援とともに、州内の重要インフラを保護するための対応を進めている。
対応には、ミネソタ州公安局、州犯罪捜査局の情報共有拠点「Minnesota Fusion Center」、州保健局、州公害管理局が参加している。さらに、米サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)、米環境保護庁(EPA)、米連邦捜査局(FBI)などの連邦機関とも連携しているという。
MNITのサイバーセキュリティ担当チームは、攻撃による影響を調査するとともに、脅威情報や対応手順、セキュリティ対策に関する情報を共有している。被害を受けた水道事業者に対し、攻撃の封じ込め、原因調査、被害の修復も支援している。
州保健局は各水道事業者と連携し、公衆衛生への影響を確認している。MNITの発表時点では、住民に飲料水の利用方法を変更するよう求めている自治体は把握していない。飲料水の安全性に影響が生じたとの発表もない。
一方、MNITは、侵入に使われた具体的な手法や、個々の施設で生じた障害、攻撃者の名称を公表していない。攻撃主体の帰属についても調査中であり、イランに関係する攻撃者が今回の攻撃に関与したとは断定していない。
ただ、米当局は今回の攻撃に先立ち、イランと関係する攻撃者がインターネットに接続されたOT機器を狙っていると警告していた。
CISAやFBI、米国家安全保障局(NSA)、EPAなどは7月22日、イランと関係する攻撃者が米国の重要インフラで使われるPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)を継続的に攻撃しているとして、共同勧告を更新した。
PLCは、ポンプや弁、製造設備などの動作を制御する装置。共同勧告によると、攻撃者はインターネットから直接接続できるPLCを標的とし、プロジェクトファイルの不正操作や、監視制御システムの画面に表示されるデータの改変を行っていた。一部では設備の運用停止や金銭的な損失も生じたという。
ただし、この共同勧告は米国全体で確認された攻撃活動に関するものであり、ミネソタ州の攻撃主体を特定する発表ではない。今回の事件については、州政府やFBIなどの調査結果を待つ必要がある。
CISAなどは、重要インフラ事業者に対し、OT機器をインターネットへ直接公開しないことや、不審な通信の確認、侵害指標を使ったログ調査を求めている。水道などのOT環境は、サイバー攻撃が設備の停止やサービス中断へ直結する恐れがある。今回の事件は、自治体を含むインフラ事業者に、制御機器の接続状況や緊急時の手動運転手順を再確認する必要性を突き付けたと言えそうだ。
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