• 2010/03/16 掲載

ノーツ資産の正確な把握とSharePoint Serverへの効果的なマイグレーションを実現

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サポート切れや運用負荷の増大、技術者の不足、機能的な不備などを解決するため、ノーツから新しいプラットフォームへの移行を検討する企業は多い。しかし、そこで足かせとなるのが、エンドユーザーコンピューティングの結果としてローカルに残された数々のカスタムアプリケーションである。企業規模が大きくなればなるほど、その実態を把握する、いわゆる「ノーツ資産の棚卸し」が立ちふさがる。しかし、アジルポイントが提供するソリューションによって、棚卸しのハードルは一気に下がる可能性がある。「自社のノーツ資産の実態を知る」という当たり前のことが、ようやく実現するかもしれない。

実態を把握できないまま意思決定せざるをえない
ノーツマイグレーションの現実

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アジルポイント
市場開発担当
藤中 衛氏
 ノーツマイグレーションを検討あるいは実施している企業が直面する最も大きな課題は、ノーツ資産の棚卸しである。ノーツアプリケーションがいくつあるのか、移行できるデータやフォームはどれとどれなのか……等々を正確に把握することは、きわめて難しい。アジルポイント 市場開発担当 藤中 衛氏は次のように指摘する。

「ノーツを使っているお客さまで、自分達のノーツアプリケーション環境の実態を正確に把握できているお客さまは、ほとんどいないはずです。十数年使い続けていれば、アプリケーションを開発した方が退職されるなどして、いないケースも多いでしょう。実態が把握できないまま、そのまま使い続けるか、捨てるか、新しい情報基盤と併用するか、といった選択を迫られているのが、多くの企業の現実だと思います。」

 実態が把握できないまま「大変そう」というイメージだけでそのまま使い続けたり、全体像はわからないが、とりあえず重要なアプリケーションだけ移行して残りは捨て去るといった、合理的とは言えない意思決定が行われている(行わざるをえない)のが、ノーツマイグレーションの現実なのである。 しかし、この「棚卸し」が高い精度で行えるなら、話は変わってくる。自社の実態に基づいて移行する/しないの意思決定ができるようになるはずである。そのためのツールは存在する。米CASAHL Technology, Inc. (以下、カサール テクノロジー)の製品がそれだ。

「カサール テクノロジーは、もともとノーツのドライバなどを開発していたノーツのプロフェッショナル企業です。マイクロソフトとの関係も深く、2004年からはSharePoint Design Advisory Councilのメンバーでもあります。」

 このカサール テクノロジーのCASAHL Lotus Notes Application Analyzerが、ノーツ資産の棚卸しを実行するツールだ。ワールドワイドでは、すでに多くの企業が利用しているという。そして、得られた結果に基づいてノーツから新たなプラットフォームへの移行を支援する製品が、同社のecKnowledgeである。

 ecKnowledgeは複数の製品で構成されるが、その中のecKnowledge Workflow Composerは、アジルポイントのOEM製品となっている。アジルポイントは、ビジネスプロセスマネージメントシステム(BPMS)製品を開発する企業で、.NETベースのリアルタイムBPMSではパイオニア的な存在である。

 カサール テクノロジーとアジルポイントは、2009年よりアライアンス・OEM契約を締結。ノーツのデータ・フォームの移行はもちろん、ワークフロー、移行後のシステム連携までもカバーする包括的なノーツ→SharePoint Serverマイグレーションのソリューションを提供している。

ノーツアプリケーションの実態を高精度で分析できるツール

 前述のとおり、CASAHL Lotus Notes Application Analyzerは、ノーツ資産を高い精度で分析するツールだ。サーバに負荷をかけないように、ノーツクライアントからログインし、必要な情報を自動的に収集する。集めた情報は、米国のカサール テクノロジーに送られ、そこで分析が行われて、ユーザーにレポートとして提供される仕組みだ。

「このツールを使うと、どのサーバにアプリケーションがいくつあるか、レプリカDB(複製されたDB)を分類し、過去数カ月にわたって使われていないアプリケーションはどの程度あるかといった詳細な情報が自動的に収集されます。また、カサール テクノロジーの分析により、アプリケーションの複雑度が5段階で評価されます。複雑度1~3はツールによって移行が可能なアプリケーション、複雑度4と5はワークフローや複雑なスクリプトが含まれているアプリケーションです。さらに、カスタムアプリケーションをSharePointやASP.NETに移行する際の難易度まで出してくれます。ここまでの精度でノーツ資産を分析できるツールは、ほかにありません。」

 規模にもよるが、分析結果はツールを入れてから約1~2週間で出るという。アジルポイントでは、昨年夏からこのツールによる分析サービスを提供しているが、国内でもこのサービスを受けたいという企業は多いという。

「サービスを希望されるお客様の多くは、ノーツユーザーが数万人規模の企業です。IT部門が本社のアプリケーションの数を把握していても、子会社や事業部門単位で作られたアプリケーションまでは把握できないケースは少なくありません。こうしたお客様が、本ツールを使用して、自社の実態を調査されることが多いようです。」

 CASAHL Lotus Notes Application Analyzerの登場によって、今後、ノーツ資産の棚卸しに多大なコストをかける必要はなくなるかもしれない。

ワークフロー移行、システム間連携までもカバーできる
ユーザー参加型ソリューション

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「我々のソリューションでは、ノーツマイグレーションのうち、ワークフローの移行にも対応しています」
 ノーツ資産の分析の結果、SharePointへの移行を決断したユーザーに用意されている製品が、ecKnowledgeである。特徴は2つある。1つはユーザー参加型であることだ。ユーザー自身が自らの判断でノーツアプリケーションを移行できるのである。

 そのために用意されているツールが、ecKnowledge ComposerとecKnowledge for SharePointである。ecKnowledge ComposerはITスキルの高いプロフェッショナルユーザー向けで、移行のシナリオを作成するツールである。一般ユーザーは、作成されたシナリオを利用し、ecKnowledge for SharePointで移行を行う。ユーザー自身が移行に参加するメリットを、藤中氏は次のように説明する。

「作り込んだノーツアプリケーションがたくさんある場合、それを本社のIT部門ですべて把握するのは困難です。ユーザーが必要なものを自分で判断して移行できれば、IT部門にとってもユーザーにとってもメリットがあります。もちろん、ユーザー自身が参加することで、コストも大幅に抑えられます。」

 ecKnowledgeのもう1つの特徴は、ワークフローおよび移行後のシステム間連携までもカバーされていることだ。従来のノーツマイグレーションでは、ワークフロー移行の部分は、ほとんど対応できていなかったと、藤中氏は説明する。

「ノーツマイグレーションには、ノーツの持っているデータの移行、フォームの移行、ワークフローの移行があります。従来のノーツマイグレーションでは、データとフォームの移行はできても、ワークフローまでは対応できないのが一般的でした。対応しようとすると、新たにスクラッチで開発するしかなかったのです。しかし、我々のソリューションでは、ecKnowledge Workflow Composerを利用することで、ワークフローの移行工数を大幅に低減することが可能です。」

 前述のとおり、ecKnowledge Workflow Composerは、アジルポイントのOEMでVisioをベースとした製品だ。ユーザーはノーツのスクリプトやワークフローの動きを確認しながら、ecKnowledge Workflow Composerで動きを絵として表現していく。作成された絵はサーバに送られ、インタープリトされて、そのままワークフローとして動作する仕掛けだ。そして、そのサーバには、ERPなどの他のシステムと連携する仕組みも用意されているのである。

「ワークフローを移行する場合、SharePointのワークフロー機能を使って作り込む方法もあります。ただし、その場合は、かなりのハードコーディングが必要です。しかし、ecKnowledge Workflow Composerを利用すれば、開発工数はその1/10~1/20ですみます。たとえば、一般的な旅費申請のワークフロー程度であれば、数十分で作成できます。」

 カサール テクノロジーとアジルポイントの提携で実現したソリューションは、従来のノーツマイグレーションの常識を一変させる可能性を持っている。3月26日のセミナー「ノーツ環境からの脱却 次世代型の情報共有基盤構築セミナー」では、その詳細が披露される予定だ。

 自社のノーツアプリケーションの実態がわからないために意思決定できないユーザー、単なるデータ移行ではなく、ビジネスプロセスとして証跡が残る形での移行を実現したいユーザーは、ぜひご参加いただければと思う。

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