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  • 2014/04/24 掲載

Windows Server 2003サポート終了の概要と、4つの対応方法

【連載】Windows Server 2003サポート終了(1)

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2014年4月9日(日本時間)、Windows XPのサポートが終了した。Windows XPは提供期間が非常に長く、一般家庭でも多くのユーザーが利用していたため、多くのマスメディアでサポート終了アナウンスが長期間にわたり何度も報道された。これに対して、Windows XPと同時期に提供されたサーバOS、Windows Server 2003のサポート終了も、2015年7月15日(日本時間)と目前に迫っている。しかし、サーバOSは一般利用者が直接触れる機会はほとんどないため、あまりITリテラシの高くない経営層にはサポート終了対応を的確に伝えないと、移行にかかるさまざまな承諾が得られないことにもなりかねない。本連載では、期限の迫るWindows Server 2003のサポート終了を、良く論じられているテクノロジーの問題としてだけではなく、経営の問題としてどうとらえるかをテーマにして紹介したい。

村嶋 修一

村嶋 修一

1962年山口県生まれ。1995年頃から雑誌記事を書くチャンスに恵まれ、1997年に書籍デビュー。実務視線の「実践」を軸にした書籍雑誌ライティングとサラリーマンの二足のわらじを履く。2006年に「Microsoft MVP for Windows Server -Networking」を受賞し、2013年に「Microsoft MVP for Virtual Machine」でMVP Award連続受賞。Windows 2.1から業務としてWindowsコンピューティングと関わり現在に至る。著書に『Windows Server 2008 実践ガイド』(技術評論社)、『ベテランが丁寧に教えてくれる ネットワークの知識と実務』(翔泳社)などがある。

サポート終了まで1年あまり、36万台のサーバが残る

 Windows Server 2003は、2003年6月にリリースされ、後継のWindows Server 2008がリリースされる2008年2月までの5年間の長期間にわたり、主力サーバOSとして君臨していた

 古くからマイクロソフト製のOSを使っている方であればご存じだと思うが、マイクロソフトのOSは、3年周期でメジャーバージョンアップするように計画されていた。

 にもかかわらず、Windows Server 2003が異例の5年間も主力の座についていたのは、製品の出来が良かったからではなく、脆弱性を突かれ、さまざまな攻撃を受けたWindows OSの構造を根本から見直し、セキュアなOSとして生まれ変わらせるための開発に時間がかかったからだ。

 長期間提供されたサーバOSなので、10年前のOSであるにもかかわらず、今でも数多くの環境でWindows Server 2003が稼働している。

 実際、IDC Japan調査の国内x86サーバ稼働台数予測OS別シェア2013によれば、2013年第2四半期時点で日本国内で稼働しているサーバ223万台のうち、Windows Server 2003搭載のサーバは約36万台と、およそ16%の割合にのぼる

photo
国内x86サーバ稼働台数予測OS別シェア2013
(出典:IDC Japan 2013年Q2 Quanterly Server Forecast)


 サポート終了を迎える2015年7月15日にはこの数は大幅に減少するだろうが、現在これだけの台数が残っているところをみると、サポート終了に対して何も対策を立てずに残存するサーバもそれなりの台数になることが容易に想像される

Windows Server 2003のサポート終了

 サポート終了後の対応を論ずる前に、そもそもマイクロソフトのサポートとはどんなことをしていて、何がサポートされなくなるのかをおさらいしておこう。

 まず、Windows OSのサポートには、「メインストリーム サポート」と「延長サポート」の2種類が存在している

 「メインストリーム サポート」は、現役製品としてのサポート期間で、セキュリティ更新だけではなく、OSとしての不具合対応であったり無償サポートが提供されている期間だ。

 これに対し、「延長サポート」は退役前のサポート期間で、セキュリティ更新と有償サポート以外のサポートが停止する。

サポートの種類メインストリーム延長サポート
仕様変更、新機能のリクエスト×
セキュリティ更新プログラム サポート
セキュリティ関連以外の修正プログラムの作成の新規リクエスト
無償サポートライセンス、ライセンス プログラムおよび、その他の無償サポートを含む×
有償サポート (インシデント サポート、時間制サポート)
○:対象、×:対象外、
☆:「延長修正プログラム サポート契約」が必要。コンシューマ向けデスクトップ オペレーティング システムは対象外。
出典:マイクロソフト サポート ライフサイクル

 また、Windows Server 2003および、Windows Server 2003 R2に関するサポート期間は以下のようになっている(日付はいずれも米国日時)。

製品名ライフサイクル開始日メインストリーム サポート終了日延長サポート終了日サービス パック サポート終了日
Windows Server 2003
Datacenter Edition (32-bit x86)
2003/5/282010/7/13
2015/7/14
2007/4/10
Windows Server 2003
Datacenter Edition for Itanium-Based Systems
2003/6/192007/4/10
Windows Server 2003
Datacenter x64 Edition
2005/5/282009/4/14
Windows Server 2003
Enterprise Edition (32-bit x86)
2003/5/282007/4/10
Windows Server 2003
Enterprise Edition for Itanium-based Systems
2003/6/192007/4/10
Windows Server 2003
Enterprise x64 Edition
2005/5/282009/4/14
Windows Server 2003
Standard Edition (32-bit x86)
2003/5/282007/4/10
Windows Server 2003
Standard x64 Edition
2005/5/282009/4/14
Windows Server 2003
Web Edition
2003/5/282007/4/10
Windows Server 2003
R2 Datacenter Edition (32-Bit x86)
2006/3/52009/4/14
Windows Server 2003
R2 Datacenter x64 Edition
2006/3/52009/4/14
Windows Server 2003
R2 Enterprise Edition (32-Bit x86)
2006/3/52009/4/14
Windows Server 2003
R2 Enterprise x64 Edition
2006/3/52009/4/14
Windows Server 2003
R2 Standard Edition (32-bit x86)
2006/3/52009/4/14
Windows Server 2003
R2 Standard x64 Edition
2006/3/52009/4/14

 この表を見ていただくとわかるように、R2を含むWindows Server 2003ファミリーすべての延長サポートが2015年7月14日(日本時間では15日)に終了することになっている。

 それでは延長サポートが終了するということはどういうことであろうか?

 延長サポートが終了すると、まず延長サポートで提供されていた「セキュリティ更新」と「有償サポート」のサービスが停止する。つまり、マイクロソフトから毎月提供されているWindows Updateなどが停止され、何か問題が起きた時のサポートも受けられられなくなる。

 また、忘れてはならない点として、Windows Server上で動作しているソフトウェアや周辺ハードウェアを提供している他のメーカーも、マイクロソフトの公式サポート終了に合わせて、各種サポートを終了する可能性が挙げられる(ただし、逆にサポートを終了したサーバをサポートしてくれるというサービスも出てくる可能性がある)。

サポート終了の影響のまとめ
・セキュリティ更新プログラムの停止
・問題発生時のマイクロソフトのサポートが受けられない
・他メーカーの製品サポート終了の可能性

【次ページ】サポート終了に対応する4つの方法

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