- 2007/02/06 掲載
【古川健介氏インタビュー】ドロップシッピングから見た日本のネットビジネス戦略(2/2)
オリジナリティが重要
![]() |
『新しいネットの稼ぎ方 ドロップシッピング成功術』 |
――古川さんのサイトは、「ドロップシッピング」という単語で検索をすると、検索結果のトップだったりかなり上位に表示されるのですが、どのような技術を使ったのでしょうか?
古川健介(以下、古川)●SEO(Search Engine Optimization)という検索順位を上げる技術を使っています。SEOには、スパムに近いものや、不正ギリギリの技術もあるのですが、あえてそういう技術を1つも使わずに正攻法のみでやったのが良かったのではないかと思います。検索エンジンに好かれるようなソースを書き、着実にリンクを集めていったことが評価されているんでしょうね。最近だと、SEO用に一気に他のサイトからリンクしたりすると、スパム扱いされて一気にランクが落ちちゃったりするんですよ。このサイトの場合、わかりやすく説明しているのはこちらですよ」と紹介してもらえるようなコンテンツにすることで、他のドロップシッピングサイトから紹介されやすいようにしたことがよかったのかもしれません。
信頼度の高い会社を使うこと
――リアルの店舗型ビジネスの目線で見たときに、どうしたらネットビジネスに対抗できると思いますか?
古川●リアル(現実)ならではの良さというのはたくさんあると思うんですけれど、その中で一番大きなのは、『偶然の出会い』だと思っているんですよ。自分の求めている商品と偶然出会う、というのが大きな魅力なので、まだまだリアルの店舗もいけるのではないかな、と。たとえば本屋だったら、ジャンルごとに並べるのではなく、全て一緒の場所に置き、カバーの奇麗な順に並べるなど、普通とは違った見せ方をすることで、ネットにはできない売り方が出来るのではないでしょうか。
![]() |
古川健介氏
|
古川●普通のECショップですと、品物の数というのが割りと重要だったりするんですが、ドロップシッピングの場合だと逆だと思っていて、品数は少ないけれど、オリジナルの商品ばかり、というほうが面白いのかなぁ、と思っています。アメリカのcafepress.com(http://www.cafepress.com/)のように。ドロップシッピングはオリジナル商品を作って売るという形式のほうが流行るんではないか、と思っています。一般の人でもオリジナル商品を作って売る、ということが定着してくると、一気に広がるかな、と。アメリカのドロップシッピングは、個人的にメーカーと契約して売るっていうECショップの形のほうが多かったりするのですが、日本だと、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)と契約するタイプがほとんどなので、どちらかというとアフィリエイトに近いですね。
――新しいビジネスだと、気がつかないうちに自分が詐欺的行為を働いていた、なんていうトラブルが出てくるのですが、今からドロップシッピングを始める人へ「こうしたら詐欺の首謀者にならない」といったアドバイスはありますか?
古川●なるべく大手の、信頼度の高い会社を使うことでしょうね。
――しかし、大手の会社を使うと、その大手の企業のサービスで先に始めている人たちに対して、「スタートの遅れを取り戻せないのではないか」と思う方が多いような気がしますが。
古川●そんなことはありません。大手のほうがシステムなどのバージョンアップが多いので、色々な面でメリットが多いと思います。それに、ユーザーからしてみると、どこのお店で買ったとしてもあまり差はないので、どこのASPを使っているかっていうのは、あまり気にしないのではないでしょうか。お店のランキングがあるようなサービスでは初期ユーザーはメリットがあることはありますが、結局は実力のある店がランキングの上位になるので、始める時はあまりこだわらずに、しっかりしていそうなサービスの中で、自分に一番使いやすいところを使ったほうがいいと思います。
――実力というと、どのような点が評価されるのでしょうか?
古川●たとえば、ブログの場合だと、記事が面白いことが実力ですが、ドロップシッピングの場合だと、見ている人が買いたいと思うようなコンテンツになっているのかどうか、というところでしょうね。色々な商品をサイトの中に詰め込み過ぎるのではなく、ジャンルを絞ったほうが良いと思います。たまに、いろいろと詰め込んだ総合店舗のようなもののほうがいいのではないか、といった意見を持った人もいるんですが、その形で成功するのはなかなか難しいと思います。そこが現実の店舗型ビジネスとは違うところですね。ネットにおいては、他の店を見るのが簡単なので、買おうと思えば、サイトを移動して何でも買えてしまいます。つまり、商品の種類の多さはあまり関係ないのですね。どんなものでも置いてあるというのは、逆に何にもないというのと同じようなことになってしまいます。結局、オリジナリティをどう生み出すかが勝負の分かれ目でしょうね。
(執筆・構成:大田唯)
●古川健介(ふるかわ・けんすけ)
したらばJBBS元社長。
現在は、Webコンテンツやネットコミュニティ作成のエキスパートとして活躍中。
著書に『新しいネットの稼ぎ方 ドロップシッピング成功術』(ソフトバンク クリエイティブ)がある。
公式サイト:したらば元社長日記
関連コンテンツ
PR
PR
PR