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- 2010/04/01 掲載
【戦略的マーケティング/第8回】ハーレーダビッドソンに学ぶ ~コモディティ化市場でのマーケティング対応~
早稲田大学 商学学術院長 兼 商学部長。
早稲田大学卒業、同大学院にて博士号(商学)取得。
早稲田大学商学部専任講師、同教授を経て現職。
専攻は、マーケティング戦略。
著書に、『マーケティング』『競争優位のブランド戦略』
(日本経済新聞社)、『セールス・プロモーション』
(共著、同文舘出版)、『マーケティング戦略』
(共著、有斐閣)などがある。
コモディティ化市場を乗り切るハーレーダビッドソンのマーケティング
ブランド間の本質的な違いが減り、差別化を実現しにくくなるコモディティ化現象は、食品や日用雑貨などのパッケージ商品で始まった。その後、コモディティ化は耐久消費財やサービスへと広まり、今日では生産財においても深刻なマーケティング課題となっている。今年の夏、有斐閣で一冊の書籍を出版することができたが、そこではコモディティ化市場に対応するためのマーケティング論理について整理した(恩蔵 2007)。コモディティ化への移行を前提にマーケティング論理を考えていたとき、コモディティ化とはまったく縁のなさそうな企業に出会った。大型オートバイで有名なハーレーダビッドソンである。ハーレーダビッドソン・ジャパンによって富士スピードウェイで開催された「富士ブルースカイヘブン」を訪れる機会を得たからだ。
広々とした敷地内に入ると、すでにテントを張り野営の準備を終えたオーナーたちが点在しており、道路を登りメイン会場に到着すると、ハーレーダビッドソンのロゴの入ったTシャツや革ジャンを着た人々が群がっていた。
ワイシャツを着た非オーナーである私の目には、明らかに別世界に映った。オーナーたちは参加費を支払ってまで北海道や九州からやってくるという。
今回は、ハーレーダビッドソンによるマーケティングを考察してみた。
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