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  • 2010/04/23

【民主党藤末氏コラム】小規模企業と個人の区別ができなければ改正貸金業法の実施はすべきではない

連載『ふじすえ健三のビジネス+IT潮流』 

政府は4月20日、個人向けローンの規制を厳しくする改正貸金業法を6月18日に完全施行することを閣議決定した。これによると、個人はその年収の3分の1を超える資金を借りいれられないことになり、600万人近くの方が新たな借り入れをできなくなるという。

アイアンふじすえ

アイアンふじすえ

藤末健三(フジスエケンゾウ)
民主党参議院議員
元総務副大臣 元参議院総務委員長

改正貸金業法の中小企業に与える影響

 政府は4月20日、個人向けローンの規制を厳しくする改正貸金業法を6月18日に完全施行すると閣議決定した。これによると、個人はその年収の3分の1を超える資金を借りいれられないことになり、600万人近くの方が新たな借り入れをできなくなるという。現在、小規模企業のうち7割が個人事業主であり、この規制が実施されれば中小企業の経営に大きな影響が出ることは必至である。

 私は4月13日の経済産業委員会において経済産業省や金融庁にこの問題を指摘した。なんとしてもこの規制の完全実施を遅らせるようにするつもりである。

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<直嶋正行経済産業大臣と藤末健三の質疑>

認知されていない状況

 6月の改正貸金業法の完全実施を目前に控えて、現在の認知率がどれくらいであるかご存知だろうか。平成21年10月のJFSAの認知調査によると借入利用者の認知率は『内容を含めてよく知っている』と回答した方が全体の8.9%だった。また、貸金業法改正に関する認知状況の調査結果によると『内容も含めて良く知っている』『ある程度知っている』を合わせても約50%という数字であり、半分程度しか認知されていない状況にある。ちなみにこれらのデータは金融庁のデータではない。金融庁は十分に借り手の情報も把握できていないままに規制をかけようとしていたのである。 現場を知らない官僚の暴走ではないかと私は思っている。

 それに関連して、「総量規制に抵触する恐れのある『借り手』は全体の何割程度であるか?」という問いにも金融庁は正確に答えられなかった。民間の推定値は約50%であるが、これを引用したように、正確な数字を自ら把握しているわけではないのである。

 現在の日本では、それが消費者金融利用の目的として許されるか否かの議論はもちろんあるが、実際問題として、中小企業、小規模・個人事業主の多くが社長個人として消費者金融を利用している。約35%の経営者が会社の一時的な運転資金を調達した経験があるという。おそらく利用しないまでもそれをあてにしている経営者はもっといるのではないかと考える。総量規制に実際に抵触する事業者の多くは、6月からの規制実施を知らないであろう。不意打ち的に、今まで借りることができた運転資金が借りられなくなるということになるのではないか、私は大変危惧している。

グレーゾーン金利撤廃の影響

 先行して行われた、所謂グレーゾーン金利撤廃により今まで会社の運転資金として貸金業者を利用していた事業者が、貸し手のリスクリターンが合わなくなり利用できなくなったという話をよく聞くようになった。

 リスクリターンが合わなくなって貸せなくなったか厳密には不明だが、資金需要者調査の推移を見ると『借入を申し込んだが、断られた』と答えた事業主が18.1%(2009年2月)から26.5%(2010年1月)に増えたというデータもある。

新たな金融サービスが必要だ!

 改正貸金業法によって大きく変わることになる貸金業界の利用者の中には多重債務被害から守らなくてはならない『消費者』とある程度のリスクを負いながらチャレンジする『事業者』が存在する。そしてチャレンジしようと頑張っている小規模な事業者の数少ない資金調達先を今回の改正法施行後も守ることができるか?

 つまり、日本の企業の99.7%を占める中小、零細、個人事業主の大半は、たとえ金融機関から資金を調達できたとしても自身の連帯保証は当然のこと、土地建物にまで担保を付けることが当たり前になされており、言い換えれば個人の借金とあまりかわらない現状の中で、無担保・無保証で迅速に小口資金を貸し付けるという独自の与信ノウハウによる貸金業者は重要な存在であると私は思っている。

 個人、法人と明確に線引きできない中小、零細、個人事業主が数多く存在する日本において『消費者保護』は反面リスクを覚悟してチャレンジをする事業者を潰してしまう可能性があると考える。今後は消費者と事業者を明確に線引きして事業者に対しては改正前の貸金業法下で行われていたようなマーケット(勿論違法な取り立て等に関しては厳しく監視しながら)を作るべきではないか。

 国会答弁に経済産業省も金融庁も検討を進めると回答したが、現在の中小企業を取り巻く環境を早急に整備しなければならない。
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