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  • 2010/05/26

躍進する理美容店オオクシの大串哲史社長に訊く――「信頼関係を基盤にした経営理念と人を生かすIT活用」

中堅中小企業 競争力の源泉 ~元気な企業の原動力を探る~ 株式会社オオクシ

1店舗のみだった理容室を十数年の間に18店舗を数える理美容室グループへと発展させたオオクシの大串哲史氏。 異業種のビジネスモデルを大胆に取り入れ、IT活用にも積極的だが、人を無視した冷たいだけの数字に興味はないという。大串氏が重視する、人を生かすためのIT、信頼関係を基盤とした確固たる経営理念を語ってもらった。

年齢性別を問わず来店する店舗をコンセプトに成長

photo
オオクシ
代表取締役
大串哲史氏
 オオクシは、千葉県内に理容室、美容室合わせて18店舗を展開している。今でこそ美容室で男性の姿を見かけるのはごく普通の光景だが、オオクシでは現在の方向性を探っていた20年前から、美容室の客層に疑問を感じ、性別や年齢を問わず、多様な人々に美容室を利用してもらえる店舗を目指していた。きっかけを与えたのは、代表取締役である大串哲史氏が衣料用品店ユニクロで見かけた家族の姿だったという。

「ユニクロさんができたときに、ご家族で洋服を買っているお客さんを見て衝撃を受けました。紳士服、婦人服、子供服と別れているのが普通だった世界に、年齢、性別を問わず買い物できるお店ができた訳ですから。美容室はこうならないのだろうかと、真剣に考えました」

 なぜ男性は美容室に行かないのか。技術的な違いや店舗の雰囲気など、顧客から聞く意見を参考に必死で考えたという。そしてたどり着いたのは、顧客が求めるものの違いだった。

「一言でいえば、理容室のお客様は髪の毛を切りにいらっしゃる方が多く、美容室のお客様は自分の雰囲気を変える、イメージを変えるためにいらっしゃる方が多いのです」

 それぞれの要望にどうすれば応えていけるかを考え、ひとつひとつ改善に努めてきた結果、現在は店舗数を拡大させるとともに、高い再来店率を実現することに成功した。しかしそこにいたる道は決して平坦ではなかったようだ。創業者である父親からオオクシを引き継いだ当時、まだ1店舗のみで従業員も数名しかおらず、利益率も低かった。

 こうした中、既に次代の経営者としての意識に目覚めていた大串氏が同社の基盤として重視したポイントが3つある。1つめは顧客(再来店率)、2つめは会社(利益率)、そして3つめが従業員(離職率)だ。

「経営資源が限られている中で人材を確保するために考えたのが、自社で戦力を育成することです。理美容学校を卒業してすぐの人材を教育して戦力に育てればいいと考えました」

 即戦力を求めるから人件費が高騰する、自社で汗をかいて教育する覚悟があれば、人件費を抑えて戦力を確保できると大串氏は語る。給与面で厚遇できないため、あえて営業日数を減らして週休2日制とし、理美容学校の生徒をスタッフに迎えた。深夜まで毎日技術を教え込み、通常なら4~5年かかるところを2年程度で戦力となるよう育成した。スタッフに重い責任を課すことで成長を促すとともに、通常より早く技術を身につけられるというメリットがある。

「毎月20日しかお店を開けていないのに、3600万円だった売上は6000万円にまで伸びました」

 こうした「自社で汗を流して教育する」ことに加え、スタッフの要望を匿名で受付けるしくみを作り、また再来店率という明確な指標を設けることは離職率の低下に表れた。スタッフの喜びと経営者の喜びが一致したから得られた業績拡大だった。

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