• 2010/07/09 掲載

富士通が中国にデータセンター建設、「攻めの経営へ向かうベースはできた」と山本正己社長、クラウドに1,000億円投資

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富士通は9日、2010年度の経営方針説明会を実施した。発表で富士通 代表取締役社長 山本正己氏は、数十億円かけて、現在中国にデータセンターを建設していることを明らかにした。
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富士通
代表取締役社長
山本正己氏
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富士通のサービスモデル
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セグメント別売上・営業利益
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富士通の中期目標
 富士通は9日、2010年度の経営方針説明会を実施した。発表で富士通 代表取締役社長 山本正己氏は、数十億円かけて、現在中国にデータセンターを建設していることを明らかにした。

 経営方針説明会での発表によれば、2010年度目標は、連結売上4兆8,000億円(2009年実績4兆6,795億円)、営業利益1,850億円(同943億円)、当期純利益は950億円(同930億円)と、「増収増益基調を確立する」という。また「社内的にはさらなる上積みを目指している」として、業績上ブレの余地にも言及した。さらに2011年度には、連結売上5兆円、営業利益2,500億円、当期純利益1,300億円と、現状の営業利益率2%の水準を2010年に3.9%、最終的に5%を目標にしていくという。

 山本社長は、増収増益を実現する背景の1つとして、ここ数年取り組んできた有利子負債の圧縮を挙げる。有利子負債の割合を示すD/Eレシオは2009年実績ベースで0.72倍と「実質の無借金経営で、毎年1,500億円規模のフリーキャッシュフローが生まれる体質になった」と評価する。「富士通グループが守りから攻めへとシフトできる絶好の機会」として、こうした手元資金をもとにM&Aを視野に入れた事業拡大を考えているとした。

 同社のビジネスモデルとしては、グローバルパートナーとともに、プロダクト、テクノロジーをベースにしつつ、そのうえで「サービスをけん引役」として垂直統合モデルで展開していく。IAサーバ「PRIMERGY」の販売では、2012年に50万台、世界4位のシェアを狙うとした。「ハードウェアが導入されると、ソフトウェアやサービス関連で約4倍の効果がある」として、主軸にする考えを示した。一方でソフトウェア事業では富士通にないものは外部とのパートナーシップを主軸にする考えで、同社の得意とする「セキュリティ」「運用管理」に注力していく考えを明らかにした。

 こうしたビジネス構成により、2010年の営業利益1,850億円達成の内訳は、サービス事業が1,700億円(2009年度1,311億円)、システムプラットフォームが450億円(同213億円)、ユビキタスプロダクトが200億円(同229億円)、デバイスソリューションが300億円(同マイナス87億円)としていく。

 一方、成長への戦略投資として、富士通も強調するのは「クラウド」事業。全社での設備投資を1,700億円(2009年度1,264億円)、研究開発費に2,350億円(同2,249億円)と、合計で4,050億円の投資を行い、中でもクラウド関連には1,000億円規模の投資を実施するという。内訳は、研究開発に500億円、設備投資に500億円。

 2010年度中には、日本と同品質の設備を、英国、オーストラリア、シンガポール、ドイツ、米国の海外5拠点へ展開する。また、クラウド関連の設備投資の中には、数十億円かけ、2011年には完成するという中国南部でのデータセンター建設が含まれていることを明らかにした。山本社長は「既存ビジネスを守るだけでは維持できない」として、2015年には売上の30%程度をクラウド関連ビジネスに押し上げていく見込みだという。そのほか、クラウド基盤「SOP:Service Oriented Platform」向けのスペシャリスト5000名を育成。「クラウドへの投資は、中長期視点の成長に必要なもの、さらに投資を前倒ししていく」と、同事業強化の考えを明らかにしている。

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