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  • 2011/03/07

「企業内情報共有に完璧なツールはない」――何を見極め、どこから取り組むべきか?

みずほ情報総研 吉川日出行氏 インタビュー

情報共有のプラットフォームとして、多くの企業に活用されてきたロータス ノーツ(以下、ノーツ)。しかし、サポート停止や技術者の不足、運用コスト増大といった課題から、ノーツに代わる新しい情報共有基盤への移行を検討する企業が増えている。また、ビジネス環境の変化によって、企業の情報共有にも新しい課題が浮上してきているという。こうしたなか、企業の情報共有の整備をどのように取り組むべきなのか、みずほ情報総研 ビジネスコンサルティング部 シニアマネジャー 吉川日出行氏に、話を伺った。

企業の情報共有が抱える新しい課題

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みずほ情報総研
ビジネスコンサルティング部
シニアマネジャー
吉川日出行氏
 現在、多くの企業が社内の情報共有に取り組んでいる。個々の社員がもつ知識や情報を会社全体で共有し、有効に活用しようとする「ナレッジマネジメント」の仕組みを整備することは、今やどのような規模/業種の企業であっても、不可欠なプロセスと言えるだろう。

 しかし、こうした情報共有が企業内で進むなかで、従来にない新しい課題が浮上してきていると、情報共有や情報活用を主テーマにコンサルティングを行っている、みずほ情報総研 ビジネスコンサルティング部 シニアマネジャーの吉川氏は指摘する。

「とても処理しきれないほどの情報が社員個人に押し寄せてくる情報洪水という課題に、多くの企業が今、直面しています。グループウェアに情報があまりにもたくさん蓄積しすぎて、必要なデータが見つからない、あるいは、配信されるフロー情報があまりに膨大すぎて処理しきれない、という問題が起きています。特にフロー情報では、大きな企業になると、本部、支店、部門など3方向ぐらいからメールが来て、一体どれを見たらいいのかわからないほど複雑になっています。これでは、せっかく業務の効率化のために整備したナレッジマネジメントが、逆に社員を混乱させる結果となってしまいます。」

 情報洪水が押し寄せるその反面、情報漏えいに対してナーバスになるあまり必要な情報さえも共有できないという情報不共有の状況も、同時に社内で発生していると吉川氏は見ている。

「情報漏えいを恐れるあまり、必要な人に必要な情報しか見せない仕組みになっていて、隣の部署が今どういう仕事をしているのかもわからないという状況の企業も少なくありません。このように、社内の情報共有がしづらい状況がある一方で、膨大な情報が氾濫する情報洪水と、クローズドな情報共有の弊害とが、同じ企業の中で、はたまた同じ社員の中でも共存している状態です。残念ながら、こうした課題に、特効薬と言える対処法は今のところありません。」

新たな選択肢としてSaaS型コラボレーションサービスが浮上

 現在、ナレッジマネジメント実現のために、多くの企業がノーツを利用している。しかし、相次ぐノーツのサポート終了や、エキスパートの退職による技術者不足などに伴って、ノーツの新しいシステムへの移行を検討する企業が少なくない。長年、企業内情報システムに関するコンサルティングを手掛けている吉川氏から見て、新規導入のケースにおいては、ノーツという選択肢が現在の企業の情報共有におけるベストプラクティスではないという。

「社内のシステムの多くがWebベースになってきているこの現状で、ノーツの古いアーキテクチャを存続させるというのは理想的ではありません。しかし、そうは言っても日本の場合、ほとんどの企業がグループウェアにノーツを使っていて、nsfのデータベースの中にいろんな文書が溜まっている状態です。そのため、ノーツという選択肢を完全に捨てることは難しいですし、事実、ノーツのマイグレーションを検討した企業のうち、最終的にノーツを残すという選択を選ぶ企業も未だに多いのです。」

 約2年前のインタビューで吉川氏は、ノーツのマイグレーションを検討した企業のうち、ノーツから新しいシステムに移行する企業は、全体の1/3程度であると発言している。2年が過ぎ、ノーツのマイグレーションがより注目されるなかで、最近では新システムに移行する企業の割合は、約半分ぐらいまで拡大していると吉川氏は言う。

「その際、新しいシステムの選択肢として、最初に挙がっているのがSaaSのサービスです。IBMの『LotusLive』やマイクロソフトの『BPOS』、あるいは『Gmail』といったSaaSという選択を検討する企業が増えたことがここ最近の大きな変化になっています。まずSaaS型のサービスを検討し、それから従来のグループウェア製品を検討するという企業が増えています。」

【次ページ】グループウェアの正しい選定に必要なもの

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