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  • 2012/05/28

SBエナジー藤井宏明副社長インタビュー:再生可能エネルギー事業の普及拡大を図る2つのキーワード

太陽光パネルの性能結果を公開した理由は?

昨年発生した東日本大震災以降、誰であれ、何らかの形で電力の重要性を嫌というほど思い知らされたことだろう。パワーサプライがあれば、電波を通じて通信インフラを維持でき、それがひいては何らかの被害軽減に役立てたのではないか。そうした思いを背景に、孫正義社長の号令のもと、ソフトバンクグループは再生可能エネルギー拡大への取り組みを開始した。その一貫として、2011年10月にはメガソーラー建設や運営などを行うSBエナジーを設立。その具体的な取り組みとはどのようなものなのか。7月1日から始まる再生可能エネルギーの「全量固定価格買取制度」などについて、同社 取締役副社長の藤井宏明氏に話を聞いた。

聞き手:編集部 松尾慎司、執筆:西山 毅

聞き手:編集部 松尾慎司、執筆:西山 毅

目指すべき方向性は、「分散型発電」と「ベストミックス」

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SBエナジー
取締役副社長
藤井宏明氏
──はじめにSBエナジー設立の趣旨と現在までの活動内容について、お聞かせください。

 昨年の東日本大震災発生直後、通信回線が途絶して、なかなか復旧しないという事態が起こりました。地震や津波の影響で通信基地局そのものが倒壊しただけでなく、発電所が被災して電力供給が維持できず、結果、通信ができないというケースも非常に多かったのです。

 1995年の阪神淡路大震災の時とは異なり、東日本大震災は携帯電話が人々のライフラインとして完全に確立されている状況の中で起きたことです。もしパワーサプライがあれば電波が通じ、それによってもっと苦しみが軽減されていた人がいたかもしれない、あるいは被害レベルがもっと抑えられていたかもしれません。

 そこで通信事業者としての今後の社会的責任を考えた時に、もう少し踏み込んで、通信そのものを維持するための自然エネルギーによる版電事業にも目を向けるべきではないのか。そうして設立されたのが、SBエナジーです。

──現在の活動内容は、どのようなものでしょうか。

 実際の活動に当たっては大きく2つのキーワードを掲げています。1つが「大規模集中型発電から分散型発電へ」、もう1つは原発依存のエネルギー政策から再生可能エネルギーを含んだ「ベストミックスへの転換」です。

 まず分散型発電については、時間軸とエリア軸という2つの視点があると考えています。時間軸での分散については、火力などに頼った現在の発電方式だけでは非効率な部分があるので、太陽光などのエネルギーを利用することで、たとえば電力不足が懸念される夏場の昼間に火力発電所の熱源動力負荷を減らす「ピークカット」や、電力需要がピークとなる時間帯をずらす「ピークシフト」を実現するというものです。

 そしてエリア軸の分散については文字通り、発電所の場所を物理的に分散させることによって、リスクヘッジもしながら発電量を確保するということです。こちらについては、今まさにメガソーラー(=大規模太陽光発電所)の建設を進めているところで、群馬県榛東(しんとう)村に約2.4メガワットの発電所を1か所、京都市に約2.1メガワットの発電所を2か所建設中で、2012年7月1日の運転開始を目指しています。このほかにも、徳島県に出力規模が約2.8メガワットの発電所を2か所建設する予定のほか、栃木県矢板市でも約2メガワット規模のメガソーラー建設の事業者に決定されました。各専門分野の事業者ともパートナーシップを組みながら、全国で合計200メガワット以上の規模とするべく、鋭意事業を進めています。

 一方ベストミックスへの転換については、色々な事業者からお話を伺うと、エネルギーには「平滑化」の効果が認められるといいます。

 たとえば、Aエリアの発電所管内の太平洋側に太陽光発電所があり、Bエリアの発電所管内の日本海側に風力発電所があった時、Bエリアでの風力発電量が安定的に供給されるなら、Aエリアへの給電を補完できる可能性があるということです。こうした平滑化の効果を見極めるための研究や実験は、我々だけでなく、国全体として取り組むべき大きな課題だと思います。

 3.11以降、原子力発電の是非については、今でも激しい議論が続いていますが、再生可能エネルギーの普及促進について反対する人は誰もいないと思います。原子力発電の是非論とは切り離して、再生可能エネルギーの導入をよりスピーディに進めていくことができるよう、国には動いて欲しいと思います。

【次ページ】太陽光パネルの性能調査を一般に公開

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