CTC、タイのIT企業Netband社に出資　グローバル展開を加速

　伊藤忠テクノソリューションズ（以下、CTC）は、東南アジア地域での事業を強化、推進することを目的として、タイの中堅IT企業であるNetband Consulting（以下、Netband社）および、Netband社の主要株主であるVnet Capital（以下、Vnet社）とCTCによるNetband社への出資に関して合意し、合弁契約を締結した。出資手続きは7月16日に完了する予定。Vnet社とCTCは、それぞれ、Netband社の株式の55%と45%を保有することとなり、Netband社のタイ国内の事業経営に積極的に参画していく。

　CTCが2010年4月に発表した中期経営計画では、今後の成長戦略の1つに海外展開を掲げており、2011年4月にシンガポール支店を新設。また、2012年4月には、北米における現地子会社として、シリコンバレーとニューヨークに拠点を持つITOCHU Techno-solutions America, Inc.も開設し、海外に進出する日系顧客のグローバルニーズに対応する体制を整えてきた。

　今回出資を行うNetband社は、海外のIT先進企業の製品販売や、システム構築を手掛け、すでにタイの大手顧客への導入実績がある。CTCは、日本で蓄積してきた最先端の技術力を活かしながら東南アジア地域でのさらなる事業展開を加速するべく、有望市場の1つであるタイにおいて、Netband社への出資および事業経営への参画を決定した。

　今後は、技術者の派遣や研修などを通じて、CTCの強みである仮想化、ネットワーク、クラウドサービスを含めたインフラ技術をNetband社に移転し、タイで今後成長が期待される分野に対して共同でシステム販売およびサービス提供を推進していくという。また、タイに多く進出している自動車および電気・電子機器メーカーを中心とした日系製造業の海外展開に対してのサービスも強化する予定だ。