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  • 2013/02/18

オムニショッパーを魅了せよ!増え続ける顧客接点を考える小売業者の3つの留意点

【新連載】オムニチャネル時代を生き抜く

いま、小売業界で「オムニチャネル」というキーワードが話題になっている。スマートフォンやPDAなどの携帯端末の普及やSNS(ソーシャルネットワークサービス)の広がりを受け、顧客の行動がこれまでと大きく変わり、小売・サービス業における顧客接点の考え方を見直す必要が出てきたからだ。今回、アビームコンサルティングのリテール&サービスセクターのコンサルタントが、オムニチャネル時代に各企業が「なすべきこと」をいくつかの観点からリレー形式で執筆していく。第1回は、現代版「ながら族」ともいうべき、オムニショッパーを主軸に見ていこう。

アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 秋山 紀郎

アビームコンサルティング 執行役員 プリンシパル 秋山 紀郎

アビームコンサルティング 製造/流通統括事業部 リテール/サービス セクターリーダー 執行役員 プリンシパル
小売・サービス業を中心としてCRM領域で20年以上の実務経験を持つ。顧客中心主義経営の実現に向け、戦略立案からIT導入まで幅広くコンサルティングを提供している。各種雑誌への連載を含む寄稿活動、ラジオ出演、コンタクトセンターアワード審査員のほか、社団法人CRM協議会の理事/CRMベストプラクティス部会長としてベストプラクティスの選考委員も務めている。

消費者に今、何が起きているのか

 スマートフォンをはじめとするモバイル端末の普及とSNS利用の爆発的な広がりにより、生活者は時間/場所を問わずオンラインの世界とオフラインの世界を重ね合わせながらの買い物を行う時代になった。

 過去に「シングルチャネル」から「マルチチャネル」と呼ばれた時代を経て、「クロスチャネル」時代が終わり、新たに到来したこのような時代を全米小売業協会(NRF)は「オムニチャネル」時代と位置付けている。

画像
オムニチャネルへの進化の経緯
(出典:アビームコンサルティング)


 オムニチャネルとはその名のとおり、オムニ(=すべての)チャネル(顧客接点)のこと。オンライン・オフラインを問わず、あらゆるチャネルを連携・統合させて顧客にアプローチする考え方のことでもある。

 実際、日本でもスマートフォンを片手に店舗内を闊歩し、口コミサイトの情報を元にしながら店頭の陳列商品を手に取り比較して、さらにチラシと価格比較サイトの情報を元に店頭販売員に価格交渉を行うような消費者が目に付くようになってきた。

 彼らは、チャネルとチャネルを重ね合わせ、それぞれを自由に行き交いながらの消費スタイルを確立した、新たな消費者たち(オムニショッパー)なのである。

 新しい消費者であるオムニショッパーは、実店舗でショールーミング(店舗をショールームのように利用し、商品を確かめるだけで、購入はネットで行う消費者の行動のこと)をしたり、スマホや携帯端末を活用してさまざまな情報収集や購入を行ったり、モバイルツールを活用する。これは、筆者に言わせれば、現代版の「ながら族」だ。

 昔の「ながら族」は、TVを見ながら食事をする、ラジオを聴きながら勉強をするような行動をする人で、集中できないから避けるべきというのが「しつけ」であった。

 しかし、現代になると「ながら族」は、
・電車で移動しながらネットを検索
・会議をしながらメールをチェック
・食事をしながらFacebookに投稿
・歩きながらLINE(ライン)
・TVを見ながらツイッター
などを行う人々のことで、必ずしも忌避されるべき行為のことを指さない。

 そして共通するのが、すべての行動でモバイルツールを使っていることだ。モバイルツールを片手に、同時に2つ以上のことを実施しないと落ち着かないという人が増えているそうだ。脳の活性化に良いという説もあるが、いずれにしても昔の常識を超えた行動をとっているのである。

 そして思い付きや興味の向くままに行動する現代の「ながら族」は、突然、購買意欲に駆られて、ECサイトでショッピングしたり、帰宅途中に店舗に立ち寄ったお店で計画外の買い物をしたりすることもある。

 オムニチャネルは、この現代版「ながら族」を魅了するために、小売業者が何をすべきかが本筋論であり、「ながら族」の理解なく、オムニチャネルに対応すれば客が増えるということではない。この論点を正確に理解しきれていないことが、多くの企業でオムニチャネル対応が進まずに、躊躇している理由でもある。

 では、このように気まぐれで、多忙を極める現代消費者「オムニショッパー」を魅了するには、小売業者は何をすべきなのか。

【次ページ】小売業者が注意するべき3つの留意点

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