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  • 2013/02/19 掲載

女性社員のモチベーションを下げる、言ってはいけないNGワード

活躍する女性社員を育てるために上司が知っておきたい20のこと

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活躍する女性社員を育てるために必要なこと、それは女性自身が変わることだけでは実現できません。女性が本来持つ能力を発揮してチームの戦力に育てるためには、女性だけではなく男性上司も変わる必要があります。そこで今回からは、視点を上司に変えた具体策をご紹介していきます。今回は女性社員のモチベーションマネジメントの観点から、“言ってはいけないNGワード”と題して、上司の皆さんにご自身の言動を振り返っていただきたいと思います。

田島弓子 キャリアアドバイザー

田島弓子 キャリアアドバイザー

ブラマンテ株式会社 代表取締役。
成蹊大学文学部卒。日本人材マネジメント協会会員。IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティングマネジャーを務めた後、1999年にマイクロソフト日本法人に転職。約8年間の在籍中Windowsの営業およびマーケティングに一貫して従事。当時、営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長を務める。在籍中、プレジデント・アワードを2回受賞。2007年ブラマンテ株式会社を設立。キャリアアドバイザーとして「目の前の仕事にやりがいを見出し、仕事が面白くなる働き方」「中間管理職向け、人を動かして仕事の結果を出すためのビジネス・コミュニケーション」「女性活躍支援~今のポジションで活き活きと働くための女性社員支援と上司向けマネジメント支援」の3つを軸に、コンサルティング、社員研修、セミナー、大学講義、執筆などを行っている。著書に『ワークライフ"アン“バランスの仕事力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネスコミュニケーション58の具体策』(ダイヤモンド社)、『働く女性28歳からの仕事のルール』(すばる舎)がある。

知っておきたいこと(8):
関係不全の発端は、上司が何気なく発した一言?!

 皆さんはEQ(Empathy Quotient)という言葉を聞いたことはあるでしょうか?日本語に訳すと「共感指数」と呼ばれているものですが、研究の結果、このEQで示される「共感力」は女性の方が高いと言われています(心の知能指数と呼ばれるEQ=Emotionally intelligence Quotient:情動指数とは別の指数です)。

 共感力の特徴として挙げられるものに「相手の気持ちを直感的に読みとる」「人が本心を隠しているかがわかる」などがありますが、女性は、自分が相手の気持ちに共感するのと同じくらい、相手に対して自分に同等の共感を期待する傾向があるようです。

 にもかかわらず、それを無視するような態度や言動を上司がとってしまった場合、たとえ上司にとっては他意のないものであったとしても、女性にとっては「ありえない」ことになってしまいます。それが問題なのは上司のそんな言動によって、女性社員がやる気や自信をなくしてしまったり、敵対心を抱いたりする恐れがあるということ。しかも、女性がその時受けた不快感を包み隠してしまったら、上司は自分が関係不全の引き金をひいたことすら、気がつくことはないでしょう。

 皆さんは、これまでの言動を振り返ったとき、心当りがあるものはないでしょうか?もしも心当りがあるならば、女性のモチベーションを下げる代表的なNGワードをご紹介しますので、なぜそれがNGなのかということをご理解いただければと思います。

 ただし一方で、共感力とコミュニケーション力が高い女性だからこそ、上司の何気ない一言が女性のモチベーションを大きく支えることもあります。そんなOKワードも対でご紹介してまいります。

知っておきたいこと(9):
ねぎらえない上司のNGワード「あ、そう、そこに置いといて」

 男女に関わらず、皆さんは自分の部下が仕事を仕上げてそれを持ってきたときに、どのような反応を示しているでしょうか?

(部下)「XXさん、頼まれていた資料できました。」
(上司)「(部下の目も見ず)あ、そう、じゃそこに置いといて。」

 上司と部下の間で日々やりとりされている何気ないこのコミュニケーション、実は上司の対応によって、女性のモチベーションを下げてしまっている可能性があります。

 上司の立場からいえば、自分だって忙しいし、部下は一人だけではない、そもそも仕事なんだから「ちゃんとやって当たり前」だという思いもあるでしょう。正論で言えば確かにその通り。

 しかし部下のモチベーションマネジメントの観点で考えると、「ねぎらう」というのは、大変重要なコミュニケーションなのです。特に女性は「結果」よりも自分が努力した「プロセス」を上司に「わかって欲しい」という承認欲求が強い傾向にあります。

 もしかしたら、この仕事のために数日間残業をして、がんばって仕上げたのかもしれません。そんな女性の「わかって欲しい」気持を「あ、そう」といった薄い反応であしらってしまっては、がんばった女性が気持の消化不良を起こしかねません。

 ひとつひとつは小さな絶望でも、それが積み重なってしまうと、上司不信や仕事に対するモチベーション低下など、大きな問題に発展するかもしれないのです。

 そこで、皆さんには部下が仕事を仕上げて持ってきたら、「心を込めてねぎらう」というコミュニケーションの習慣をつけていただきたいと思います。忙しくてもいったんPCの画面から目を離し部下の顔を見る、そして心から「ありがとう」「ご苦労さま」と言っていただく。

 たったこれだけでいいのです。たったこれだけの一言が、女性の「わかって欲しい」心を満たし、そして「次もがんばろう」と無意識のうちに感じることができます。その積み重ねが仕事全体に対するモチベーションにつながっていくので、日々の上司からの心をこめたねぎらいの一言は、女性にとって本当に大きな意味を持つのです。

 女性がその上司についていくと思えるかどうかの境目は、実はこうしたところにあります。たとえ普段は言葉少なだったり、多少当たりが厳しい上司だったとしても、ねぎらうべきところではしっかりと心を込めて「ありがとう」が言える。ねぎらいというのは上司にとって非常に重要な心構えですので、次回以降でもその具体策については詳しくご紹介していきたいと思います。

【次ページ】納得させられない上司のNGワード

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