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  • 2013/03/14 掲載

女性社員が最もモチベーションを下げるワースト1のNGワード

活躍する女性社員を育てるために上司が知っておきたい20のこと

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今回も前回に引き続き、女性社員のモチベーションマネジメントの観点から、“言ってはいけないNGワード”とそれを“OKワード”に変えるための具体策についてお話します。コミュニケーション能力が高い女性だからこそ、上司の何気ない一言が気持ちをネガティブにしてしまうこともありますが、ポジティブにしてくれることもあるのです。そんな言葉の持つ大きな影響を意識しつつ、ぜひ“OKワード”で女性社員のモチベーションを上げていただきたいと思います。
執筆:キャリアアドバイザー 田島 弓子

キャリアアドバイザー 田島 弓子

ブラマンテ株式会社 代表取締役。
成蹊大学文学部卒。日本人材マネジメント協会会員。IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティングマネジャーを務めた後、1999年にマイクロソフト日本法人に転職。約8年間の在籍中Windowsの営業およびマーケティングに一貫して従事。当時、営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長を務める。在籍中、プレジデント・アワードを2回受賞。2007年ブラマンテ株式会社を設立。キャリアアドバイザーとして「目の前の仕事にやりがいを見出し、仕事が面白くなる働き方」「中間管理職向け、人を動かして仕事の結果を出すためのビジネス・コミュニケーション」「女性活躍支援~今のポジションで活き活きと働くための女性社員支援と上司向けマネジメント支援」の3つを軸に、コンサルティング、社員研修、セミナー、大学講義、執筆などを行っている。著書に『ワークライフ"アン“バランスの仕事力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『プレイングマネジャーの教科書 結果を出すためのビジネスコミュニケーション58の具体策』(ダイヤモンド社)、『働く女性28歳からの仕事のルール』(すばる舎)がある。

知っておきたいこと(11):
安易に気遣う上司のNGワード「今日は早く帰りなさい」

 部下を気遣える上司の一言に見えますが、実は案外難しいのがこのフレーズです。しかし、少なくとも悪気があってこの一言を放っている方はいないでしょう。女性を遅い時間に1人で帰すのは心配、残業続きで体調を崩されてはいけないと思う…、自分とは違う女性のわからない部分については、過分に気を遣ってしまうのはやむを得ないことかもしれません。

 しかし、そんな上司の気遣いを額面通りに受け取れる女性はむしろ少ないのです。

 なぜなら女性は良く周囲を見ています。周囲の男性の同僚はまだ仕事をしているのに、自分だけ帰れと言われると「私がいない方がやりやすいのかな」「私がいると邪魔なのかな」と疎外感を感じてしまう女性は少なくありません。

 一方、好きで残業しているわけではない、上司から指示された仕事が終わらないから残業をしている場合であればさらに要注意です。「言われた仕事をするために残業してるんですけど!」と上司の言動の矛盾にストレスを感じているかもしれません。そこに気付かずにこの一言を放っても、女性には表向きのポーズにしか受け止められないということを忘れないでください。

 それでは、女性に邪推されずに上司の心配を伝えるためにはどうすればよいのでしょうか。早く帰すべきかどうかを判断するには、まずは進捗を聞いてみればよいのです。

「何の件で残ってるの?」

 また、連日遅くまで残っている部下であれば

「最近、毎日遅くまでがんばっているけど、体調は大丈夫か?」

 どうでしょう?このように話しかければ、彼女たちは疎外されているとも、表向きのポーズとも思わないはずです。前回もお話しましたが、自分のがんばりを「わかって欲しい」女性にとっては、そんな上司の一言から「自分の状態を見てくれている」と感じることができる、すなわちOKワードになるのです。

知っておきたいこと(12):
煽る上司のNGワード「Aはもうここまでできるのに、お前はまだまだだな」

 絶対に女性に言ってはいけない言葉の代表格にひとつがこの一言です。先ほど同様、この一言を悪意で繰り出す上司はいないと思います。むしろ「もっとやればできる」と、部下にがんばってもらいたい一念、なにくそと奮い立たせたい思いでこのように伝えているのではないでしょうか?

 ではなぜ、この一言が女性のモチベーションを下げるのか、その理由は第2回でお話しした男女間の違いにあります。女性に多いと言われるインポスター症候群の説明をしましたが、自己肯定感が低く、失敗を内在化しやすいタイプの女性にとって、上司からの「まだまだだな」の一言はまさに戦力外通告、「私はいらない人間」と彼女たちを落ち込ませ、やる気を潰してしまう言葉なのです。そもそも周りをよく見ている女性ですから、Aさんがデキる人であることは、上司から言われるまでもなくよくわかっています。そこに上司からこんな風にたたみかけられては、「傷口に塩を塗られる」ようなものです。

 さらに女性にとってこの一言がNGなのは、他人と比べる表現を使っていることにも原因があります。女性はえてして「公平性」「平等性」を重んじる傾向がありますが、このような表現は「Aさんをえこひいきしている」という誤解や被害妄想の原因となる可能性があります。上司のたった一言で両者間の関係にヒビが入ってしまっては、チームで成果を挙げることもままなりません。

 それでは、こんなときはどのように伝えればよいのでしょうか?女性を発奮させるために相手と比べることはありません。やる気のある女性ができない自分に落ち込んでしまっているときは、むしろ励ましていただきたいのです。ここで意識していただきたいのが「アメとムチ」の伝え方。できていない点はしっかりと指摘しつつ、でもそれを乗り越えれば成長できる、そんな期待を込めた一言は女性を驚くほど勇気づけてくれます。

「お前はいつも失敗ばかりだけど、逃げないから、いつかできるようになる。」

 失敗続きで「もう自分にはこの仕事向いてないかもしれない」と激しく落ち込んでいたときに上司から言われたこの一言で最後までがんばり通すことができた、というのはとある女性が話してくれた実話です。

 相手に自分の気持ちを届けたいときは、相手に届くカタチで届ける必要があります。伝え方ひとつで、女性のやる気がマイナスにもプラスにも変わるのです。

【次ページ】女性が最もモチベーションを下げるワースト1のNGワード
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