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  • 2013/05/13 掲載

サクセスHD 柴野豪男 社長インタビュー:保育事業で急成長、年商1億時に1000万のIT投資が原動力に

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サクセスホールディングスは、企業や病院内で保育サービスを提供する「受託保育」、市区町村の認可を受けた「公的保育」などを手がける企業である。ニチイやベネッセなど並み居る教育サービス企業がひしめく中、現在は全国に220を超える保育施設を展開し、2012年8月にはJASDAQ、2013年4月24日には東証2部に上場を果たすまでに急成長している。同社の成長を支えた原動力は何なのか。同社、代表取締役社長の柴野 豪男 氏とシステム部門の責任者である取締役 システム部長 佐々木 雄一 氏のお二人に話を聞いた。

神奈川県内の学習塾事業から撤退し、保育事業へ参入

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サクセスホールディングス
代表取締役社長
柴野 豪男 氏
 サクセスホールディングスは、大学、病院、企業などの事業所内で保育サービスを提供する「受託保育」、市区町村の認可を受けた「公的保育」の2つを事業の柱とする企業である。現在、北は仙台、南は姫路まで、全国で220を超える保育施設を運営するまでに成長している。

 サクセスHDの中核企業であるサクセスアカデミーはもともと、神奈川県内で学習塾を運営する企業で、現在の保育事業とは無縁の会社であった。学習塾から保育事業に参入することになった経緯について、代表取締役社長の柴野 豪男 氏は次のように振り返る。

「サクセスアカデミーを設立した1984年当時、神奈川県は神奈川方式と呼ばれる特殊な受験方式を採用し、受験の結果だけでなく、中学校1年生から3年生までの成績が重視されていました。このため、教える側にも神奈川県特有の受験経験が求められ、大手の予備校や塾が入ってこられなかったのです。ところが、この制度が変わり、大手が続々と参入をはじめた結果、とても太刀打ちできないということで、学習塾から手を引くことになりました。」

 「次に何をするか」と考えていたタイミングで、柴野社長は帰国子女の保護者から、バイリンガルのベビーシッターを探しているという相談を受ける。そして、働く女性にとって、子どもを預かってくれるベビーシッターのようなサービスが不可欠であり、欧米では当たり前の存在であることを知る。これをきっかけに、柴野社長は保育事業への参入を目指すことになる。

 しかし、1991年当時、保育事業は株式会社の参入が許可されていなかった。ただし、オフィスや病院などの社内保育所の運営委託は行えたため、事業所内の施設を借りて保育サービスを提供することを決めた。

「保育事業を行うにあたって、まず浮かんだのは激務と言われる看護師さん向けでした。そこで、いろいろな病院に『病院内に保育室を設置して、優秀な看護師を確保しませんか』という内容のダイレクトメールを送ったのです。」

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サクセスHDでは、利用する子どもの数に応じて保育士を派遣する。利用する子どもがいなければ負担が生じないので利用企業側はリスクなく開始できる。
 その際、柴野社長は子どもの数に応じて派遣した保育士の人数に対して課金するという形を提案。利用する子どもがいなければ、利用者側は負担がないため、リスクなく開始できる。

「すると、ある有名病院から『ちょうど検討していた』という返事をいただき、受託保育がスタートすることになりました。ただ、その病院は急性期の患者さんも預かる大病院でしたので、最初から24時間365日の保育サービスを提供する必要がありました。大変でしたが、その経験がいまに生きることになったのです。」

 その後、同病院の実績を皮切りに、神奈川県や東京都の病院から契約を獲得、受託保育事業では当時オンリーワン企業として躍進を遂げることになる。

【次ページ】保育事業は時代の運、自分を褒めるとすれば思い切ったIT投資をしたこと

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