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- 2013/08/26 掲載
O2Oを進化させるダイエー、サンプリング/クロスマーチャンダイジングから囲い込みへ
9月には約280店舗にO2O施策を拡大
ダイエーでは、オンライン有力媒体を活用したO2Oビジネスに積極的に取り組んでいる。たとえば、月間500億以上のPV数を誇るYahoo! JAPANのトップ画面などから実店舗へ送客する「ウルトラ集客」では、清涼飲料水、アルコール飲料、アイスクリームなどのキャンペーンを展開し、数万人を店舗へ送客した実績を持つ。ダイエーでは、サンプルを売場在庫で運用し、サンプル代をレジでそのまま計上できる仕組みも構築している。利用者は、無料クーポンや割引といったインセンティブを手にするためには、店舗に来店し、サービスカウンターに設置されたクーポン出力端末「クーポンゲート(Coupon Gate)」から、クーポンを発券する必要がある。
現在は177店舗にクーポンゲートを設置。9月からは同社傘下の食品スーパー、グルメシティにも端末を設置するため、約280店舗でサービスを展開できる体制が整う予定だ。また、オールアバウトライフマーケティングが提供する「サンプル百貨店」、登録したスーパーの特売情報が検索できるニフティの無料サービス「シュフモ」といった媒体でも同様のサンプリングキャンペーンを展開している。
クーポンで店舗へ送客し、利用客の店舗内回遊を促進
そんなダイエーが今回新たな取り組みとして、2013年7月26日から8月9日まで、ニフティ、ダイエー、玉露園、ソー・プランニング、マックスと連携。東京都目黒区のダイエー碑文谷店において、オンラインクーポンによる実店舗への来店促進と、売り場の異なる商品を同時に提案するクロスマーチャンダイジングを連携させた、「O2Oクロスマーチャンダイジング」のトライアルを実施した。対象とする商品は、玉露園の「カルシウム入りこんぶ茶缶入(顆粒)」、「カルシウム入り梅こんぶ茶缶入(顆粒)」、およびソー・プランニング編著の書籍「玉露園のこんぶ茶アイディアレシピ」。ダイエー eビジネス企画推進部 eビジネス企画課 課長 植田龍輔氏によると、「今まではメーカーがスポンサーになりサービスを提供していたが、売り場のメニュー提案と合わせて提供することで売り上げがどの程度アップするのかを検証したかった」のだそうだ。通常、クーポンを発行して来店を促した場合、単純にクーポンを引き換えるだけでなく、「ついで買い」を期待する。その際のベストミックスを考えるわけだ。
まず、ニフティのシュフモで、ダイエー碑文谷店や近隣のスーパーを登録している会員に対し、こんぶ茶と梅こんぶ茶が50円割引になるオンラインクーポンを配布し、店舗に来店を促す。
そして、2Fのサービスカウンターのクーポンゲート端末で、来店時にオンラインクーポンを発券する。
店舗では、食品売り場で同クーポンが利用でき、ソー・プランニング発行の「こんぶ茶レシピ本」の一部レシピ(トマトおでん、豆乳レモンパスタ、梅こんぶサイダー)をスマートフォンや携帯電話にQRコードを通じて無料配信した。また、店舗に設置したデジタルサイネージ端末でも同取り組みに関する情報を配信した。
さらに、6Fの書籍売り場(アシーネ)では、「こんぶ茶レシピ本」の購入特典として、こんぶ茶の試供品を提供。書籍売り場でも店頭の目立つ位置で、企画の紹介を行った。食品売り場と書籍売り場という、まったく異なる売り場が互いに商品を紹介することで、利用客の店舗内回遊を促進させる狙いがあった。
【次ページ】トマト売り場でこんぶ茶を販売、その狙いは?
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