• 2025/11/15 掲載

「テンプレどおり」があなたを消してしまう…残酷な「同質化の罠」から抜け出す方法

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テンプレートやノウハウを真似しても自分のメッセージが埋もれてしまうのは、あなたが月並みな「正解」に囚われているからかもしれない。情報過多の現代では、驚くべき速さで「正解」が同質化し、陳腐化していくからだ。『売らずして売る: 「欲しい」が生まれると、人は自然に動いてしまう』を上梓したリード・コンサルタント 代表の小松原優氏は、その他大勢から抜け出すには「あえて売らない」ことが最も効果的だという。その具体的な実践方法とは。
執筆:リード・コンサルタント 代表 小松原 優

リード・コンサルタント 代表 小松原 優

大学卒業後、地元の信用金庫に入庫し、約13年間にわたり資産運用や中小企業の経営相談に従事。平成28年度には営業成績No.1を獲得。その後、船外機メーカーの中小企業へ転職し、経理担当として資金繰りやキャッシュフロー管理を3年間経験。金融機関と実務現場のギャップに直面しながらも、資金繰りの実務を習得。これを機に「中小企業の力になりたい」と独立。しかし起業当初は集客に苦戦し、スキルや経験だけでは成功できない現実を痛感。試行錯誤の末に自分だけのビジネスモデルを確立し、起業1年目で大手メディアにも紹介され、「正解は人それぞれ異なる」と学ぶ。現在は金融機関・メーカー経理・起業のすべての経験を活かして、それぞれの強みを引き出し、「売らなくても自然に選ばれる」ビジネスを形にする支援を行っている。本書が初の著作となる。インスタグラム @yu.komatsubara_0506

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情報過多の現代で「その他大勢」から脱け出す方法とは?
(Photo/Shutterstock.com)

「その他大勢」から抜け出すための効果的な戦略

 「売らなくても売れる」という、新しい時代のビジネスの扉が現実味を帯びてきた今。

 ここであなたに手に入れていただく必要があるのが、広大なビジネスの世界における、あなた自身の確固たる「立ち位置」、すなわち「ポジショニング」です。

 どれだけお客さまの感情に深く刺さる緻密な感情導線を設計したとしても、もし、その最終的な見せ方やあり方がほかの誰かと似通ってしまっていたら?

 残念ながら、あなたの貴重なメッセージは膨大な情報のノイズの中に、あっけなく埋もれてしまうのです。

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【画像付き記事全文はこちら】
見せ方がほかの誰かと似通ってしまうと、あっけなく埋もれてしまう…
(Photo/Shutterstock.com)

 ここでは、その他大勢から抜け出し、「あなただからお願いしたい」と選ばれる人になるための、テンプレートに安易に頼らない、真に効果的なポジショニング戦略を具体的にお伝えします。

成功事例とされるノウハウやテンプレートに潜む“落とし穴”

「有名なコンサルタントが教えるテンプレート通りにやっているのに、なぜか、自分のメッセージは埋もれてしまい、誰にも届かない」

 そんなふうに感じたことはありませんか?

 現代の情報過多社会では、成功事例とされるノウハウやテンプレートが、大量に安価に出回っています。

「この7つの型で発信すれば、必ず集客できる」
「この魔法のフレーズを使えば、人の心に確実に刺さる」

 こうした情報は、一見すると非常に魅力的で、ビジネスをこれから始める、あるいは始めたばかりの人にとっては、大きな安心感を与えてくれるでしょう。

 しかし、ここに大きな落とし穴があります。

 多くの人が、そのテンプレートや手法を同じように真似して実践することで、驚くべき速さで同質化が進んでいくのです。

 結果として、お客さまにとっては、どの発信もどのサービスも、どれもこれも同じように見えてしまうのです。

 人間の感情構造は驚くほどに複雑で、1人ひとりまったく異なります。

 テンプレートというのは、いわば大量生産された「マスターキー」のようなものです。

 単純な構造の鍵穴は、それで開けられるかもしれません。

 しかし、その人しか持ってない、複雑で特別な鍵穴を開けることは絶対にできません。

 真にお客さまの心を開き、深い信頼関係を築くには、その人だけのために、丹精込めて作られた、たった一本の「オーダーメイドの鍵」が必要なのです。

 一般的なテンプレートは、多くの場合、この感情の多様性をまったく考慮していません。

 特定のターゲット層の表面的な「陽」の望みに焦点を当てたメッセージや、画一的な訴求のみで構成されています。

 そのため、テンプレートを使っても「どの感情の層に、どの角度から、どんな言葉で届けるか」を、細かく精密に調整することができません。

 結果として、テンプレート通りの発信は、多くの人に「まあ、言っていることは分かるな」と思わせることはできても、その人の心を根底から揺さぶり、すぐに行動を促すほどの、強いインパクトを与えることはできないのです。

 テンプレートを、真面目に忠実に守ろうとすればするほど、かえってあなた本来の個性や独自性が失われ、膨大な情報の中に埋没してしまう。

 これが、現代のマーケティングにおける、あまりに皮肉なジレンマなのです。

 では、どうすれば長く選ばれ続けられるのか?

 そのためには、この甘く危険な同質化の罠から抜け出すための明確な戦略が不可欠なのです。

あえて「やらない」という選択が差別化を生み出す

 あなただけの独自性、つまり、他社との決定的な差別化を手に入れるためには、視点を180度、大胆に変える必要があります。

 ここで重要になるのは、「競合がまだやっていない、新しいこと」を探すという視点だけではありません。

 その視点だけに頼ると、差別化どころか「過去に競合が挑戦して撤退した領域」や「そもそも市場ニーズが乏しく、誰も長く続けられなかった取り組み」に迷い込んでしまうリスクがあります。

 だからこそ差別化は、そこからもう一歩踏み込んで、「競合が、絶対に手放せないと信じ込んでいること」を理解し、あえてあなたが「やらない」と宣言する。

 この競合理解の先にある「競合がやってほしくないこと」「やられたら困ること」をあなたがやる。この勇気ある「逆張り」の発想を持つことこそが、鍵となるのです。

 たとえばビジネスの世界では、

「セールスは絶対に必要不可欠だ」
「お客さまを獲得するためには、積極的にLINEで情報を配信すべきだ」
「キャンペーンや無料プレゼントを頻繁に実施して、見込み客のリストを集めなければならない」

といった常識が、疑う余地なくまかり通っています。

 これらは稼ぐための仕組みとして、効率的な当たり前の戦略とされてきました。

 しかし、この誰もが信じる常識を疑い、あえて「やらない」という選択をすることで、他社とは一線を画す、極めて強力なポジショニングが生まれることがあるのです。 【次ページ】「あえてやらない」を徹底的に実践した結果…
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