• 会員限定
  • 2014/02/25 掲載

長谷川氏、中山氏、原田氏がクラウド時代の情シスのあり方を語る[前編]

Developers Summit 2014

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
東急ハンズの情報システム部門の責任者である長谷川秀樹氏と、数年前まで協和発酵キリンの情報システム部門の責任者だった現アイ・ティ・イノベーションの中山嘉之氏を中心に、クラウド時代の情報システム部門とはどうあるべきか、というパネルディスカッションが2月13日と14日に行われたDevelopers Summit 2014のセッションとして行われました。モデレータはアトラクタの原田騎郎氏。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

 長谷川氏は内製にこだわった情シス部門の発展を語り、中山氏もクラウドによってインフラがコモディティ化する中で情シス部門はより上のレイヤに注目しなければならないとし、両者ともほぼ一致した見解を示したディスカッションの模様を、ダイジェストで紹介しましょう。

photo

画面左から、原田騎郎氏、中山嘉之氏、長谷川秀樹氏。右の空いた椅子は、会場からの質問者が発言する際にステージに上がってもらうためのものとして用意された


情シス部門は崖っぷち?

 原田 ディスカッションに入る前に、最近話題になったニュースに「パナソニックが社内情報システム部門を1000人削減を検討している」というものがありました。

 それから、日経コンピュータでは最近「崖っぷちのIT部門」という特集もありました。

 一方で、転職サイトのDudaによると社内SEの求人は伸びているそうです。こうした中で、これからの情報部門を考えなければいけないと思います。

 そこでまず、中山さん長谷川さんそれぞれに、情報部門をどう考えているのか少しお話しいただこうと思います。

クラウドの登場で情シスはよりビジネスに近いレイヤに行く

 中山 私は一昨年まで協和発酵キリンの情シス部門で部門長をしていました。いわゆるユーザー企業に30年いました。クラウド時代の情シスをどう考えるか、というお題をいただきましたが、ユーザー企業から見たクラウドとは、来るべき時代が来たな、という感があります。

 ITのプレイヤーはインフラからアプリまで多くの階層になっていて、下はテクニカルアーキテクチャから上はビジネスアーキテクチャと多岐にわたっています。情シス部門の本業は社内のビジネスにシステムを役立てていくことですが、下の方のレイヤはやることが多く専門性も高いので、なるべくベンダさんに外注するということでやってきたわけです。

 そしてクラウドではここがコモディティ化する、つまりお金で調達できると。だから社内の情シスはもっと上の、よりビジネスに近いレイヤに行くと。

photo

 情シスって、1980年代はコストダウンをしてきたかなと。1990年代はWindowsなどが出てきて企業活動のスピードアップ。2000年代はERPなどがでてきてガバナンスに寄った時代だったり、一方でインターネットも登場してきました。

photo

 そして2010年代は、考えてみるとこれまでの情シスって売上げに寄与してないじゃないかと。そこでこれからはちょっと事業の競争力というところにいくのかなと思っています。

 情シスの本質的な役割は、情報の流通を司っていると思っています。あくまでも社内が中心ですが、いろんな情報をどうコントロールするのかをやってきているのかなと。エンタープライズの仕組みをどう作るか、社内の情報流通のデザインをするという。

 原田 これを見ると80年代と90年代の仕事はずいぶん違いますね。では長谷川さん、お願いします。

【次ページ】 帳票を作るだけのシステムにがっかり

関連タグ

関連コンテンツ

オンライン

仮想化戦国時代再び

 パブリッククラウドやプライベートクラウド、仮想基盤、コンテナ基盤など、様々なサービスやツールが提供され利用可能となっている現在、それらをどのように組み合わせて利用するか、そして、その環境を如何に効率的に運用管理していくのか、IT管理者にとっての大きな課題です。  慎重に検討し最適と考えた環境を導入したが、パブリッククラウドのコスト高騰やベンダーの突然のポリシー変更によるプライベートクラウド環境の再検討など、外的要因も含め色々な問題が発生し、都度、対応が求められている。そんなお客様も多くいらっしゃるかと思います。このような様々な問題への対応が必要な今こそ、個々の問題への対策にとどまらず、新たなITの姿を考える良いチャンスではないでしょうか。  変化による影響を受けやすい現在のIT環境から脱却し、ITインフラに依存しない柔軟な運用環境を実現する。ITインフラを意識する事なくマネージメントできるニュートラルな運用環境へシフトする。サービスやツールの導入・変更にもスムーズに対応でき、求められるユーザーサービスをタイムリーに、そして安定的に提供できる、そのような変化に強く、かつ進化に対応する次世代運用プラットフォームの実現が、今、求められていると考えます。  本セミナーでは、次世代運用プラットフォームを実現する2つのキーソリューションをご紹介します。1つ目はMorpheus Cloud Management Platform。セルフポータルサービスに代表されるように、シンプルでありながらパワフルかつ柔軟な統合運用環境を実現します。もう1つはOpsRamp。AIOpsやオブザーバビリティなど個々の機能にとどまらず、多様な要素で構成され様々な要件が求められるハイブリッドクラウド環境にニュートラルに対応する。真にエンタープライズレベルの統合監視環境を実現するソリューションです。 HPEの考える次世代の運用環境をぜひご体験ください。

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます