- 2025/12/05 掲載
EAチームの役割はどう変わる?ガートナーが明かす従来型との「決定的な違い」とは
EAが迎える未来像とは
ITリソースや業務手順、システムの標準化、最適化を推し進め、企業や組織の全体最適化を目指すエンタープライズ・アーキテクチャー(EA)。EAについて、「この設計思想が過去20年、業務とシステム双方の効率化や統合、事業継続性の強化などで大きな役割を果たしてきました」と語るのは、ガートナー バイス プレジデント,アナリストの鈴木雅喜氏だ。
その一方で鈴木氏は、EAには厄介な課題があることも長らく指摘されてきたことを明らかにする。それが、「意義は大きい半面、成果が見えない」「情報収集と資料作成に多大な時間を要す」などだ。
その結果、EA自体の価値判断のしにくさから、国内においてEAの活用に取り組む企業はガートナーのリサーチでも一部にとどまるという。
ただ、海外に目を転じると、EAは新たな形に進化しつつあるとも鈴木氏は話す。その一番の特徴が、最適化の対象をITリソースのみならずビジネス全体にまで広げ、ビジネス拡大に直結する価値創出を目指している点だ。
「従来型EAでは、経営に価値を認めてもらいにくかったという面がありました。この苦い経験を基に、経営に直接アプローチし、社内の複雑な状況をITを活用して分かる状態に昇華し、その提示を通じて経営の悩みに応えようとの動きが本格化しています」(鈴木氏)
先行きの不透明感が混迷の度を深める中、経営層の意思決定の難度は増す一方だ。その中でEAチームは、各種領域における判断の選択肢をデータなどを基に適切に提示し、判断の精度向上を支援する役割を近い将来、担うことになると鈴木氏は分析する。
では将来、EAチームが担うようになる具体的な仕事とは、どんな内容を指すのだろうか。 【次ページ】EAチームの役割はどう変わる?
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