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  • 2014/07/14 掲載

NTTデータ 岩本敏男 社長が示す、ビッグデータによる「万物の可視化」がもたらすもの

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人が何かを判断する“源泉”は「インテリジェンス」だ。単に「情報」を与えられても人は動かない。インテリジェンスという“人によるフィルター”に通すことで、情報に価値を付加できる――。こう語るのは、NTTデータで代表取締役社長を務める岩本敏男氏である。岩本氏はそれが経営における大きな武器になるとしたうえで、データサイエンスの進化によってもたらされる、新たな世界を展望した。

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト。明治学院大学国際学部卒業後、週刊誌記者などを経て、2001年よりIT専門出版社に入社。「Windows Server World」「Computerworld」編集部にてエンタープライズITに関する取材/執筆に携わる。2013年6月に独立し、ITジャーナリストとして始動。専門分野はセキュリティとビッグデータ。

データ→情報→インテリジェンスの“ロードマップ”

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NTTデータ
代表取締役社長
岩本 敏男 氏
 「世界ICTサミット2014」に登壇した岩本氏は冒頭、近年の建築美トレンドを挙げた。日本人建築家である磯崎新氏が手がけた上海の複合ビル「ヒマラヤズセンター」を紹介した。同ビルは、近代的な高層ビルと、緩やかな曲線を描いた低層階で構成されているのが特徴だ。同氏は、「2007年ごろから急速にアルゴリズム建築が増加してきた。以前は不可能とされていたが、構造計算さえできれば、自由な発想を形にできる。それを支えているのがICT技術だ」。

 実際、ICT技術は指数関数的に発展しており、技術的にもコスト的にも実現が難しいとされていたデータ解析も短時間かつ低コストで実現可能となった。たとえば1990年代には「数千億円のコストと10年単位の歳月が必要」と言われたヒトゲノム解析も、現在では10万円程度で24時間以内に解析できるようになっている。

 こうした潮流において、データサイエンスは、どのような未来社会の形成に貢献するのだろうか。岩元氏は、「データサイエンスの進化で、データは意思決定の源泉であるインテリジェンスに飛翔する」と指摘する。

 データは世の中で起こる膨大な事実の集合体であり、それ自身に意味はない。これをアプリケーションなどの“フィルター”でサンプリングや加工し、行動に必要な情報(インフォメーション)を抽出する。ここまではすでに自動化されている領域だが、今後は、情報を次の行動を決めるための「インテリジェンス」に昇華させることも、データサイエンスで可能になるという。

 たとえば、企業が合併や買収(M&A)を手がける際には、対象企業に関するデータを収集する。その際には単なる会社データだけでなく、成長率や市場シェア、自社との合体によるシナジー効果など、多角的なデータを収集/分析し、情報にまとめる。

 そして、「企業哲学や信念過去の経験則」といった“インテリジェンス・フィルター”を通じて「このM&Aは自社にとって必要か」を最終判断する。しかし、今後はこの“インテリジェンス・フィルター”も、データサイエンスによる可視化で、人々が予期せぬ新しい世界が作りされる可能性があるという。

 こうした未来の一翼を担っているのは、ICTの進化である。たとえば、ストレージは大容量化が進み、6TB(テラバイト)の3.5インチHDDが7万円前後で購入できるようになった。CPUは「ムーアの法則」を上回るスピードで性能向上している。また、ネットワークの大容量化も目覚ましく、NTT研究所の中では100T(テラバイト)bps(100兆bps)の伝送が実現されており、実験室ベースでは1P(ペタバイト)bpsの伝送実験も成功している。

【次ページ】ビッグデータの可視化で生まれる新たなビジネス

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