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  • 2015/05/18

子供と妊婦に安全・安心な米を届ける ホワイトフードの新たな食の挑戦

ホワイトフード 森 啓太郎氏インタビュー

近年、国民の間で食の安全に関する意識が高まっている。そのような状況で、子供と妊婦の安全を考えた「ホワイトライス」などの食品を提供しているベンチャーがある。北海道に拠点を構え、自前の検出器で道内の米や野菜、牛乳などを検査して提供するホワイトフードという企業だ。IT業界から転身し、同社を設立した森 啓太郎氏に、会社設立のきっかけから、同社のポリシー、食の安全・安心を取り巻く問題などについて話をうかがった。

安全・安心な食物を子供や妊婦に

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ホワイトフード 代表取締役社長 森 啓太郎氏

──まず現在の米の市場動向について教えていただけますか?

森氏:普段は意外と気にしていないかもしれませんが、米相場には比較的大きな上げ下げがあります。農家と仕入れを交渉する際に「相場はこのくらいなので、値段はこれぐらいに収めて下さい」というような形で交渉します。

 しかし、今年度はすごい下げ相場ですね。弊社ホワイトフードの所在地がある北海道はそれほどでもありませんが、本州の米は20%ぐらい落ちています(参考:『平成26年産米の相対取引価格・数量』 農林水産省、2015)。これだけ相場が下がると、採算が取れずに厳しいというお話を農家さんからお聞きします。

 この下げ相場は、米が余っていることが原因だと言われています。そのなかで北海道が横ばいなのは、ホクレン(ホクレン農業協同組合連合会)が突っ張っているからだと言われています。

──今TPPの問題が騒がれています。米の開放についてはどう思われますか?

森氏:もし一度でもTPPの扉を開けてしまうと、一般論として農家の経営は苦しくなる可能性があると言われています。

 一方、今は日本産だからといって安全とは限らず、若い子育て世代の食に対する安全・安心を考えると、外国産という選択肢もあるとは思いますね。

自分で現地まで足を運び、安全な食品を集める

──若い子育て世代の食に対する安全・安心。それがホワイトフードを設立したきっかけなのですね。

森氏:そうです。もともと私はIT業界で働いていました。アカマイ・テクノロジーズで営業本部長をしており、食品業界はまったくの畑違い。会社を辞めて、当初はシリコンバレーでスタートアップしようと思っていたのですが、3.11の東日本大震災をきっかけに原発事故が起きてしまい、首都圏も安全が脅かされる事態となりました。それを単に「危ない」と言うばかりではどうにもなりませんから、そのためのソリューションを用意しました。

 2012年に、ホワイトフードを立ち上げて、北海道ニセコ町で事業を開始しました。ゲルマニウム半導体検出器により、道内の米や野菜や牛乳について徹底的に放射能を検査し、国基準(注1)の100分の1以下(0.5ベクレル/㎏以下)となる安全・安心な食物を、子供と妊婦の家庭に限定販売する事業を始めました。放射能の検出限界値には罠があります。基準値が高ければ、検査しても未検出のND(Not Detected)になってしまいますから。そういう意味で、ちゃんと検査したものの方が安全・安心が得られると思います。

注1:平成24年4月からの政府の基準値は、一般食品100ベクレル/㎏、乳児用食品50ベクレル/㎏、牛乳50ベクレル/㎏、飲料水10ベクレル/㎏に改訂された。

 また、減農薬・無農薬を中心とした商品を集めて販売しています。日本は農薬の散布量が世界で一番多い国の1つ(参考:木村秋則『百姓が世界を救う』 東邦出版、2012)ですので、無農薬という付加価値をつけていくことに意義があると考えています。

 消費者不在の状況をインターネット改革によって消費者に戻したいと思っています。リスクのある何かが含まれた食品がよいのか? あるいはリスクのないホワイトフードの「あんな食」(同社では安心な食をこう呼ぶ)がよいのか? お客様に選んでいただきたい。

 私は、自分の子供に食べさせられないものは一切売りません。自分で現地まで足を運び、安全な食品を集めています。

【次ページ】 無農薬や減農薬に取り組むのは信念が必要

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