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- 2015/06/18 掲載
ホワイトボックススイッチとは?(前編)──登場の背景とその内部構造
ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。
ホワイトボックススイッチとは何か?
NTTソフトウェアイノベーションセンタの石田です。今回はホワイトボックススイッチ勉強会の第1回ということもあり、ホワイトボックススイッチとは何か、またホワイトボックススイッチは北米などで利用が始まっているので、その動向を紹介したいと思います。
ホワイトボックススイッチのソフトウェアのオープン化が進んでいるので、その主要コンポーネントについても簡単に紹介します。
ホワイトボックススイッチとは、ソフトウェアを含まないODM(Original Design Manufacture、OEMは発注元が製品開発や設計などを行うのに対し、ODMは受注者が製品開発や設計などを行う。台湾や中国などの企業に多く見られる)ベンダ製のネットワークスイッチです。
従来のスイッチは、ソフトウェアとハードウェアが統合されて販売されており、ソフトウェアはクローズドで、ユーザーが勝手に機能追加などを行うことは困難でした。
それに対してホワイトボックススイッチは、OSを含むソフトウェアをおユーザーが選択、あるいは開発できます。ですので機能追加は比較的容易にできます。ハードウェアは、スイッチを従来製造してきた台湾のベンダ製がほとんどです。
ホワイトボックススイッチ登場の背景
ホワイトボックススイッチはGoogle、Amazon、Microsoft、Facebookなどの大規模データセンターで利用が始まっています。彼らはデータセンターの高効率化のため、自社のソフトウェアと組み合わせ可能なホワイトボックススイッチを利用し始めました。この図はOCP Summit 2015でHPの方がキーノートで発表していたスライドです。既存のエンタープライズ向けスイッチの出荷量は落ちていって、大規模データセンター向けのスイッチが市場でドミナントになる、だいたい2017年には市場の50%程度が大規模データセンター向けになるだろうとのことです。
そうすると、既存のスイッチのスケールメリットが減少して価格が高くなり、競争力維持のために大規模データセンターの運用者以外もこうしたスイッチの利用を検討すべきと考えられます。
【次ページ】 ホワイトボックススイッチの内部
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