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  • 2015/07/31 掲載

フリマアプリ各社が出品者を囲い込む理由は? C2C特有のビジネスモデルを解説

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近年、多くのプレイヤーがこぞって参入するC2C(Consumer to Consumer: 個人間取引)市場。出品から決済までのITシステムの水平統合、またキャッシュポイントを多面的に設けるなどの垂直統合も市場を握る鍵となりそうだ。ソフト面では卵が先か鶏が先かの議論はあるが各社出品者の獲得に力をいれており、スタートアップへの投資が熱を帯びる現代において、その資金を投下していかにユーザーを囲い込むか、各社の思惑が見て取れる。

スマホが個人をマーケット参加を後押しC2Cが流行している理由

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フリマアプリ各社の戦略からC2C市場を紐解く
 ローンチから2年で1500万ダウンロードを記録し、テレビCMに積極的に投資する「メルカリ」など、ここ1,2年でフリマアプリのスタートアップが急成長している。対して、ヤフーが運営する「ヤフオク」や、LINEの「LINEMALL」など大手企業は、これらの若いスタートアップを迎え撃つ格好だ。

 いまや、フリマアプリをはじめとしたC2C市場は群雄割拠の時代を迎えている。経済産業省による2014年に行われた調査によるとB2CのEC市場は11.2兆円にのぼるとも言われ、この市場の成長とともにC2C市場も成長していくことが予想される。

 C2C市場が成長した要因には、スマートデバイス、あるいはスマホの浸透が挙げられる。いまや1人1台はスマホを所持している時代になった。スーパーマーケットを想像するとわかりやすいが、元来マーケットに参加できるのは一部の出品者(供給者)に限られていた。

 現在はインターネットの普及により多くのユーザーが市場に参加可能になり、スマホの浸透はそれに拍車をかけたといえる。出品者はスマホによって写真撮影、販売、決済までそれ一台で完結することができるし、購入者はスマホのボタン一つ押せば商品が手に入る。

激しいポジション争いが続くC2C市場のプレイヤー

 C2C市場では多くのプレイヤーが存在し、ポジションを競い合っている。特定のカテゴリーに特化した「チケットストリート」、ブランド嗜好のターゲットを中心とした「スマオク」、また「Cyta.jp」、「coconala」などモノだけではなく特定のスキル、サービスもネットを通じたマーケットで取引きされている。

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C2C市場には多くのプレイヤーが存在する
(作成:高橋 博伸)


 上記の中でヤフオク、メルカリ、LINEMALLを詳細に比較したのが下記表であるが、現状は年代により好まれるサービスが異なる特徴があるようだ。

 日経MJの調査によると20代ではメルカリ、40代ではヤフオク利用という結果もでており、LINEMALLもLINEユーザーから推測するに20代の若者中心に支持されていることが想定される。

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メルカリ、LINEモール、ヤフオクの3社比較

C2Cのビジネスモデルの特徴は「出品者の囲い込み」

 上記の表からも見て取れるように、C2Cビジネスには2つの特徴があげられる。

 まず1点目として成約あたりの利益が10%程しか得られないということだ。そのため、収益をあげるためには少ない人数で成約回数を多くしていく必要がある。

 2点目の特徴は、出品料が安いということだ。当然のことだが、成約回数を高めるには出品数を多く確保する必要がある。

 そこでC2Cビジネスを行う各社は、出品料を安くして出品者を囲い込むという戦略をとっている。この戦略が非常に利にかなっている点は、出品者側のスイッチングコストにある。一度いずれかのプラットフォームを利用した場合(複数サービスを利用している出品者ももちろんいるが)、そのプラットフォームを変更するためには手間も多くかかり、これまでに培った評価などもゼロからはじめざるを得ない。そのため、各社は短期的な利益を犠牲にしてでも出品者の囲い込みに躍起になっているわけだ。

 事実、フリマアプリの先駆者的位置付けのサービス「Fril(フリル)」は、300件の出品をサービスリリースの前提にしたことをインタビューで公開、ヤフオクが出品料を無料(※一部有料)にすること発表し、メルカリは1,500万ダウンロード記念に芸能人を用い、出品者に私物を投稿してもらうなどの動きをみせるなど出品者の確保に力点をおいていることが伺える。

【次ページ】東京オリンピックに向けて活性化? インバウンド観光とC2Cビジネスの関連性

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