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  • 2016/02/03

1日の売上が1兆6千億円。アイリスグループ会長が明かす、中国の急速なネットシフト

2月8日は旧正月の「春節」にあたる。これを祝う中国では大型連休を迎え、「爆買い」の加速も見込まれるが、そんな中国の購買行動は今、急速にネットへとシフトしているという。繰り返し訪れる荒波の中で企業が生き残り、未来に必要とされるビジネスを育てていくには、何が重要なのか? 地方から果敢に海外進出を果たし、今や世界各国でビジネス展開するアイリスグループの会長 大山 健太郎氏が、中国ビジネスの現状を語った。

フリーランスライター 吉田育代

フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

「アイリスオーヤマ」で知られる生活用品製造販売企業

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アイリスグループ 会長
大山 健太郎氏

 アイリスオーヤマのブランド名および社名で知られるアイリスグループは、仙台を本拠地とする生活用品製造販売企業である。早くから韓国、中国などへの海外進出を果たし、現在のビジネスフィールドは米国、ヨーロッパにも広がっている。同社のカバーする生活用品の領域は幅広く、LED照明、生活家電、調理用品、収納用品、寝具・インテリア用品、園芸用品、ペット用品などで、総数にして15,000点を超えるという。

 昨年11月10日、11日の2日間にわたって行われた「第17回 日経フォーラム 世界経営者会議 2015」では、世界各国でビジネス展開する日本企業の代表としてアイリスグループが登場、会長 大山健太郎氏が中国ビジネスの現状を語った。

需要創造型ビジネス戦略で、作って直接現場へ届ける

 同グループ発展の陰には、独自に構築したビジネス戦略があった。まずは「メーカーベンダー」という新しい業態開発である。メーカー機能と問屋機能を併せ持ち、商品を小売店に直接届けるだけでなく、小売店の売場をコンサルティングしながら顧客を惹きつける売場作りや販売促進支援を行う。これはまた、卸売業者を省くことによって、中間流通の段階で発生するコストを削減、メーカーにとっても小売店から顧客のニーズを直接収集できるというメリットがあるという。

 同グループはまた、需要創造型ビジネスを志向している。これは作る側の論理ではなく、生活者の視点で潜在的な問題点・不満点を察知し、それに対する解決策を提案することで需要を喚起するというもの。講演の中でアイリスグループ 会長 大山健太郎氏は、その代表的な事例としてクリア収納ケースを挙げた。

「それまで収納といえば隠すことを目的としていたが、探すための便利さが必要だと考え、中身が見えるクリア収納ケースを開発した。当初は取引先に非常識と言われたが、店頭に並べたら飛ぶように売れた。今では米国においても非常に人気商品となっている」(大山氏)

 さらに同社は、移り変わる生活者ニーズに応えるため、ロングセラー商品に頼ることをしない。継続的な新商品開発に力を入れており、年間1,000点は市場に投入する。これにより、全売上高のうち発売3年以内の新商品は売り上げの50%に上るという。

中国はインフラ構築が遅れたためeコマースが急進、53兆円規模に

 海外でのビジネスにおいて、今アジア地域で最も力を入れているのは中国だ。現在、蘇州に1社、大連に7社と計8社でアイリスチャイナグループを構成している。足かけ20年でここまで拡げた。

 中国は経済が減速傾向にあり、インフラ関連事業、輸出関連企業は厳しさが増している。しかし、いまだ個人消費は順調であるという。中でもネットビジネスは伸びている。中国は公共交通インフラ整備やモータリゼーションが日本に比べて20年遅れており、生活者にとって「近くて便利な店」というものが存在しない。その不便を解消しているのがeコマースで、中国全体で人民元にして2.8兆元、日本円にして53兆円に上るまでになっている。ここまで年率5割で伸びてきた。

 そのeコマースも、デバイスがPCからスマートフォンなどのモバイル端末へと急速にシフトしており、その割合は42%に迫る。リアルのインフラ構築が遅れたために、eコマースへと一気に転換が進み、そのスピードは日本を超えるというのが大山氏の見立てだ。

 それを象徴するのが11月11日「中国Eコマースの日」の売上高である。昨年、B2Bオンラインマーケットであるアリババはこの日1日で1兆1千億円、今年は1兆6千億円を売り上げた。アイリスチャイナもこの日に備えた増産準備や出荷対応で夜を徹するほどであるという。  現在小口配送業も発達してきた。2~3年前なら商品の取り扱いでトラブルになることも多かったが、今はもうそのようなことはない。また、巨大な物流センターが同国要地に極めて戦略的に構築されている。

【次ページ】 リアルの店舗がオーバーストア状態に陥っている日本

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