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  • 2017/03/24

ドローンのビジネスインパクトまとめ 市場規模、法整備、センサ、配送、災害対応まで

フロスト&サリバン連載 「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」

フロスト&サリバンが選出した「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」の中に、ドローンがある。同社は、ドローンの社会的影響をIoTと同レベルであると評価している。いまでは趣味用途にとどまらず、物流、農業、災害対策など、あらゆる産業で注目されるようになったドローン。しかし、ドローンとラジコンヘリコプターの違いがわからない、国内の法整備がどこまで進んでいるのかよくわからない、というビジネスパーソンも多い。そこで、フロスト&サリバン ジャパン 成長戦略コンサルティングマネージャの伊藤 祐氏と同アシスタントの石井 明日夏氏が「商業用ドローン」とそのビジネスインパクトを解説する。

フロスト&サリバン ジャパン 伊藤 祐

フロスト&サリバン ジャパン 伊藤 祐

フロスト&サリバンジャパン 成長戦略シニアマネージャー。日本、シンガポール、フィリピン、タイ、イギリス等において、ビジネスプロセスリエンジニアリングやERPシステム導入、海外展開戦略策定やM&A実行支援、スマートシティのグローバルトレンド調査等のプロジェクトに携わる。慶應義塾大学にて経済学士取得。

執筆アシスタント:フロスト&サリバン ジャパン 石井 明日夏

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ドローンのビジネスインパクトはどこまで広がる?


商業用ドローンがもたらすビジネスインパクト

 ドローンとラジコンヘリコプターの決定的な違いは、自律的に飛行できるかどうかだ。狭義のドローンはGPSとコンピュータ制御システムを搭載しており、風や障害物などの影響も考慮し、指定された場所に自ら飛行することができる。一方、ラジコンヘリコプターは人の手によって操作されている。広義の意味では、両者とも英語でいうUAV(Unmanned Aerial Vehicle)を指し、遠隔操作が可能な比較的小さな無人航空機である。

 2015年4月22日に起きた首相官邸無人機落下事件をきっかけに、ドローンに対する航空規制が検討され、2015年12月10日には改正航空法が施行された。国土交通省のホームページにはドローンの飛行可能区域に関する定義が存在する。

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飛行可能区域
(出典:国土交通省


 また、2016年4月7日には、小型無人機等飛行禁止法が施行され、国が定める重要施設、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域でのドローンの飛行が禁止された。

 こういった航空法の改正や新たな法の施行は、ドローンビジネスの参入障壁低下をもたらしている。ドローン技術は多くのビジネスチャンスをもたらす一方、プライバシーの侵害やテロの可能性もぬぐえない。各種法整備によりグレーゾーンが解消されることで、商業用ドローンの使用方法も明確化され、事業者も安心してドローン市場に参入できるようになったのである。

 現在のドローン技術は軍事利用から発展したものである。2014年に製作された映画『ドローン・オブ・ウォー』と、2015年製作の『アイ・イン・ザ・スカイ 世界―安全な戦場』では、ドローンにより安全な場所から容易に人を射殺する場面が描かれている。これらのように軍事用に使用されるドローンの正式名は、無人戦闘航空移動体(UCAV: Unmanned Combat Aerial Vehicle)であるが、こちらは本記事が扱う商業用ドローンとは用途の面で異なっている。

 本記事で対象とするのは商業用ドローンだ。ニュージーランドでは、ドミノピザが2016年11月に世界初のドローン配送でピザを届け、期待を露わにした。その他にもドローンがもたらすインパクトは多岐にわたり、農業分野では安価な農薬散布手段として、土木分野では効率的な測量手段と商業を革新する技術として期待されている。また、Amazonのドローン配送サービスの動向も見逃せない。

ドローンで利用されている3種類のセンサ

 ドローンに搭載される機能はそのドローンの品質が高くなればなるほど増えていく。ここでは一般消費者にも手が届く価格帯(3000円から50万円)のドローンに搭載されている3つのセンサの紹介を行う。

 1つ目が気圧センサである。気圧センサは、ドローンの飛行高度を圧力に応じて測定するための静圧センサと、飛行速度を計測する差圧センサで構成されている。静圧センサは飛行直前に無風状態の大気の圧力を検知し、その圧力を基調に変化に応じて高度を測定する。

 差圧センサは対気速度を測るセンサである。風の影響を含めた圧力である「総圧」から、風の影響を排除した圧力「大気圧」を引くことで、差圧を測定する。つまり機体の進行方向から来る差圧を測定することで、ドローンの飛行速度を相対的に計測している。

 2つ目は超音波センサである。超音波センサは送波器と受波器によって構成されている。送波器が超音波を送信し、障害物に当たって跳ね返ってくる反射波を受波器で受信する。これにより、ドローンは発信から反射波が返ってくるまでの時間を、気温の影響を鑑みた上で障害物との距離を測定し、障害物そのものを検知する。

 3つ目はジャイロセンサである。ジャイロセンサとは、機体の角速度(物体が1秒間に回転した角度を示す単位)を把握するためのセンサであり、3軸で構成されている。しかし、市販のドローンでは、6軸ジャイロと記載されているように、実は3軸ジャイロセンサと3軸加速度センサが組み合わせたものが多い。

 ジャイロセンサは1秒間に機体が何度回転したかを測定する。検出された加速度を時間で積分することにより、ドローンの姿勢角度を算出することができる仕組みだ。

 加速度センサは、ある一定の時間において速度の変化度合いを計測するセンサである。この検知された度合を積分することで、機体の速度と位置の変位を測定することができる。加速度センサによって得られた数値を一回積分すると速度が取得でき、2回積分すると変位が取得できる仕組みになっている。

【次ページ】ドローン配送、災害対応における商業用ドローンの可能

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