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- 2017/09/22 掲載
「圧倒的な知名度」がない企業は、就職エージェントを使わないほうがいい
AWSプレミアコンサルティングパートナー認定から人手不足に
──まずはアイレットという会社についてお教えください。後藤氏:当社は今年で創業14年目のIT企業で、もともとは受託開発が中心でした。7年目にクラウド事業をスタートして、AWSを日本企業向けに使いやすく提供することに特化し始めました。これが功を奏して、Amazon Partner Networkの中でも優れた実績を誇るプレミアコンサルティングパートナーに認定されました。現在、プレミアコンサルティングパートナーに認定されているのは日本で7社だけです。現在はKDDI傘下に入り、KDDIグループのリソースを活用しながら、AIやIoTを始めとした新規事業にも着手しています。
──採用を活発に行っているそうですね。
後藤氏:2013年にプレミアコンサルティングパートナーに認定されたのがですが、その直後からクラウド事業が急拡大し、階段状に伸びている売り上げ増に人員増が追いついていない状況です。
昨年1年で中途採用約60名を迎え入れました。現在の社員数は約200名で、そのうち7割がクラウド事業に従事しています。これからも2018年3月までに合計90名を採用する予定で、2018年度新卒もすでに約15名に内定を出しました。当社では人材採用を「ビジネスをさらに伸ばすための投資」であると考え、重要視しています。
エンジニアを取り合うのはIT企業だけではない
──IT業界ではエンジニア不足が常態化していて、売り手市場が続いています。採用する側として、課題を感じている点はありますか。後藤氏:1つは、企業のエンジニア需要が拡大していて、人材の取り合いが熾烈になっているということがありますね。これは、今までIT業界の外にあった企業、たとえばタクシー会社が配車アプリを作るなど、さまざまな企業でIT化がどんどん進んでいて、今まで以上にエンジニアが必要とされています。
その上、AI、IoT、VRなど新しい潮流が次々台頭していて、こうした分野に対応できるエンジニアとなるとさらに不足しています。
増田氏:当社の課題としては、求めるエンジニア人材像が従来のエンジニアイメージとは異なっていて、既存の人材獲得方法ではなかなかマッチングしにくいということがあります。
後藤氏:エンジニアには大きく2つのタイプがあると思います。1つは、これまでに実績がない新しいことや、リスクが見えることに取り組むのは及び腰になりがちだけど、ルーティンワークを粛々とやるのが得意なコツコツタイプ。もう1つはお客さまとのコミュニケーションも活発で、お客さま側の立場で考えて話ができる人。さらには、新しいことにも躊躇なく取り組んで、その結果、自分の仕事が変わることになっても平気なタイプ。
増田氏:必ずしも前者のタイプが否定されているわけではありません。これまでシステムインテグレーションの世界は多重下請け構造で、二次請け・三次請けの現場ではお客さんの顔はほとんど見られないし、実際、自分たちに何が求められているのかわからないとさえ言われています。そうした環境でもしっかり適応して、前者の立場で活躍するエンジニアもいるはずです。
後藤氏:もちろん、前者のようなタイプのエンジニアが求められる事業もありますからね。結局は、棲み分けが必要になります。採用する企業側が、自分たちがどちらのタイプのエンジニアを必要としているのか、よく見極めて採る必要があると思います。
【次ページ】「圧倒的な知名度」がない企業はエージェント採用で不利
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