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- 2017/12/07 掲載
管理職の半数が「介護離職」を検討、法改正で対応できない現場の課題とは

介護を理由に退職を考えたことがある管理職は半数近くに
介護の必要性に迫られ退職する「介護離職」が課題となっている中で、介護を理由に退職を考えたことはあるかという質問では、47.5%と半数近くが「考えたことがある(何度も考えたことがある:19.5%、1、2回考えたことがある:28.0%)と答えた。また、介護のために会社を休むなど介護への関与度が高い管理職では、退職を考えたことがある割合は57.2%に上昇した。介護の負担が増えるにつれ、離職リスクが高まることが明らかになっている(図1)。
退職を「考えたことがある」と回答した285人にその理由をたずねたところ、「体力・精神的な負担や不安」(20.7%)が最も多かった。一方、退職を「考えたことがない」と回答した315人のうち、26.0%が「収入面の不安」を理由に挙げた。
先の見えない介護で離職によって収入が減少し、経済的に不安定になる事態は避けたいという状況がわかる。
8割近くが介護と仕事の両立に不安
介護と仕事の両立における不安についての質問では、77.3%が「不安がある」(とても不安がある:29.3%、どちらかといえば不安がある:48.0%)と答えた。介護を理由に会社を休んだ経験のある管理職では不安を感じる割合が83.3%と、さらに高くなった。介護への関与度と比例して、両立への不安が大きくなることがうかがえる(図2)。
介護との仕事の両立で不安を感じる理由を聞くと、「精神的な負担がある」(50.4%)が最も多く、「同僚・部下の仕事に影響が出る」(49.8%)、「労働時間が長く、介護に時間を割けない」(47.0%)、「体力的な負担がある」(42.5%)と続いた。
また、「人事評価への影響」(20.0%)や「昇進への影響」(13.4%)といった、今後のキャリア形成への懸念の声もあった。介護との両立を理由に、現在のポジションを奪われる不安を払拭できるよう、制度と職場環境の整備が求められるとしている(図3)。
【次ページ】介護に携わる部下への支援状況は
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