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  • 2018/03/29

男女平等な職場は「成果の数値化」で実現できるのか?

3月8日は国連が制定した「国際女性デー」である。これに関連し、多くの企業が女性の地位向上や連帯、啓発を目的にイベントを開催した。2000年に米アクセンチュアと米マイクロソフトの合弁会社として設立されたアバナードもその1社だ。同社は国際女性デーに先立ち、3月7日に「国際女性デー・イベント」を開催した。当日は「男女平等の現状」「企業を取り巻く課題」「キャリア形成の考え方」などの論点から、アバナードジャパン 代表取締役の安間 裕氏、米アバナード 成長市場担当プレジデント アンナ・シルヴェリオ氏、同 最高マーケティング責任者 ステラ・グーレ氏が議論を重ねた。

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト 鈴木 恭子

ITジャーナリスト。明治学院大学国際学部卒業後、週刊誌記者などを経て、2001年よりIT専門出版社に入社。「Windows Server World」「Computerworld」編集部にてエンタープライズITに関する取材/執筆に携わる。2013年6月に独立し、ITジャーナリストとして始動。専門分野はセキュリティとビッグデータ。

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米アバナード 成長市場担当プレジデント アンナ・シルヴェリオ氏(中央左)、アバナードジャパン 代表取締役の安間 裕氏(中央右)、米アバナード 最高マーケティング責任者 ステラ・グーレ氏(右)
(画像:アバナード)



男女平等運動の分岐点

 「国際女性デー」は、1904年に米ニューヨークで行われた婦人参政権を要求したデモを起源に、1975年、女性への差別撤廃と女性の地位向上を目的に国連が制定したものだ。

 グローバル企業であるアバナードも、自社主催の国際女性デー・イベントを毎年世界各地で開催しており、2018年は日本法人がホストとなった。

 国際女性デーに先立ち、3月7日に同社が開催したイベントにおけるパネルディスカッションには、アバナードジャパン 代表取締役の安間 裕氏、米アバナードで成長市場担当プレジデントを務めるアンナ・シルヴェリオ(Anna Di Silverio)氏、米アバナード最高マーケティング責任者(Chief Marketing Officer)のステラ・グーレ(Stella Goulet)氏が登壇。女性を取り巻く現状や今後の課題などについて、多角的に議論した。

 2018年国際女性デーのテーマは「Press for Progress(前進するために)」だ。性別による不平等を撤廃し、すべての社会で女性の活躍を促進させる。そのためには当事者である女性と、彼女らを取り巻く社会はどのように“Progress(前進)”すべきか――。シルヴェリオ氏は「Press for Progress」の意味を「男女平等のムーブメントの1つ」と位置づけ、以下のように指摘する。

「2017年は女性が不平等について自ら声を上げた年であり、男女平等のための運動の分岐点となる年です。『#MeToo』『Time's Up』などのアクションには多くの人が参加し、意思を持って発言しました。これまで女性は嫌がらせや不当な扱いを受けても、社会的制裁や周囲との対立を恐れて公言しませんでした。それが大きく(よい方向に)前進したのです」(シルヴェリオ氏)

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米アバナードで成長市場担当プレジデントを務めるアンナ・シルヴェリオ(Anna Di Silverio)氏
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 安間氏も「性差別や不当な扱いは許さないというコミットメント(誓約)が重要だ」とし、「ビジネスの観点から考えても、男女不平等はマイナスだ」と指摘する。

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アバナードジャパン代表取締役の安間 裕氏

育児休暇取得に罪悪感を持つほうがおかしい

 日本は雇用機会均等法で性別を含む属性差別を禁止している。しかし、賃金格差や正規/非正規の雇用格差は依然と存在している。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本における女性のフルタイム労働者の賃金は、男性と比較して平均25.7%低い。OECD諸国平均が14.1%であることを考えると、その格差の大きさが理解できるだろう。

 こうした日本の現状について安間氏は、「日本の男女平等(の取り組み)は諸外国と比較して遅れており、社会や組織の中で女性のポジションは確立されていない」と指摘する。

 そのような状況で、アバナードはどのような取り組みを実施していくのか。安間氏は「グローバル企業であることを生かし、海外での女性活躍の事例やロールモデルを紹介する。また日本の“助け合いの精神”をよい方向で組織に浸透させ、相互支援があたりまえの環境を構築していきたい」と語る。

 育児休暇や子育て中の時短勤務を制度化している企業は多い。しかし、これらを「当然の権利」として行使できる職場環境は少ない。厚生労働省が2017年5月に公開した「平成28年度雇用均等基本調査」によると、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%。これは“過去最高の数値”である。

 安間氏は「(育児などで)早退をしたり時短勤務したりすることに対し、当事者が罪悪感を信じる必要はない。会社は多様性があるほうが成長できる。そのためには、(男女不平等の環境に置かれている)女性を支援することは会社として当然の活動だ」と力説した。

【次ページ】「技術系=無機質」は過去の遺物

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