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  • 2018/08/06 掲載

マスターカードとランドローバーが「ラグビーW杯日本大会」で狙っていること

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ラグビーワールドカップ2019は日本で開催される。マスターカードとジャガー・ランドローバーは2015年の英国大会に続いてワールドワイドパートナーを務める。マスターカード Head of Marketing & Communications ダグマー・ネドゥバル氏、ジャガー・ランドローバー・ジャパン Representative Director CEOのマグナス・ハンソン氏が対談。モデレータをつとめたポスタースコープのベンジャミン・ミルネ氏と共に、ラグビーW杯日本大会におけるマーケティング戦略を語り合った。
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左からマスターカードのダグマー・ネドゥバル氏、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン氏、モデレータをつとめたポスタースコープのベンジャミン・ミルネ氏


英国大会でのマスターカードとランドローバーの成功の要因

 ラグビーワールドカップ2019日本大会は、2019年9月20日、東京スタジアム(味の素スタジアム)の開幕戦を皮切りに、決勝まで全国12カ所の競技場で合計48試合が日本国内で行われる。

 前回大会は、ラグビー発祥の地であり、競技人口が世界で最も多い英国で開催されたこともあり大いに盛り上がった。マスターカードのHead of Marketing & Communications ダグマー・ネドゥバル氏は成功の要因を次のように語った。

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マスターカード Head of Marketing & Communications
ダグマー・ネドゥバル氏

「第1にスポンサーシップになることで、ブランドの親近感を得ることができたこと。第2はデータ解析など、リサーチを徹底的に行ったこと。予選から本戦に進むにつれ、多くの人がラグビーのことを考えていくことが分かった。そこで私たちがマーケティングのコンセプトとして打ち出したのが、『ラグビーフィケーション』だ。これは、ラグビーの精神と人々をつなげる可能性を追求することで、そこから生まれたのが体験の提供だった。これが2015年のキャンペーンのカギとなり、成功の要因になった」(ネドゥバル氏)

 また、ジャガー・ランドローバー・ジャパン(以下、ジャガー・ランドローバー)Representative Director CEOのマグナス・ハンソン氏も、マスターカードのキャンペーンについて「マスターカードの全体的なアプローチとラグビーワールドカップのビジョンに一貫性があり、素晴らしいキャンペーンだった」と感想を述べる。

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ジャガー・ランドローバー・ジャパン Representative Director CEO
マグナス・ハンソン氏

 キャンペーンが上手くいったのは、ジャガー・ランドローバーも同様だ。その理由についてハンソン氏は、「360度のアプローチを採ったことだ」と言い切る。優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」をランドローバーの専用車に乗せて世界を巡るトロフィーツアーを開催したのだ。

 その一環として、日本ではグラウンドでラグビー教室の開催、スタジアムでの露出、SNSなど、さまざまなアプローチでパワフルにキャンペーンを実施したという。マグナス氏は「非常に自然でエレガントの手法だったと思う」と振り返る。

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優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」乗せて世界を巡ったランドローバーの専用車

日本大会を成功に導くために必要なこと

 では、両社は来年の日本大会に向け、どのようなマーケティング戦略を展開し、イベントを成功へと導くのか。

 今年1月からチケットの販売も始まり、来年の開催に向け、気分も盛り上がりつつあるが、問題なのは日本でのラグビー人気が高いとはいえないことだ。確かに前回大会では日本が南アフリカに勝利し、大いに盛り上がった。だが、現状では競技人口も11万人強と少なく、人口で割ると0.09%にすぎない。

 また、日本ラグビー最高峰リーグ「ジャパントップリーグ」も浸透しているとはいえない。ただ、世界に目を向けるとラグビーの競技人口は世界121カ国、770万人を超え、「急速に人気が高まっており、世界的なスポーツに進化しつつある」とモデレータを務めたポスタースコープ Head of Platforms & Partnerships – Asia Pacific Managing Director ベンジャミン・ミルネ氏は説明する。

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ポスタースコープ Head of Platforms & Partnerships – Asia Pacific Managing Director
ベンジャミン・ミルネ氏

 日本ラグビーフットボール協会およびアジアラグビーの関係者の間でも、2019年の大会への期待は高まっている。それは、日本をはじめとするアジアは、ラグビーにとってフロンティアだからだ。

 ネドゥバル氏は「確かに日本におけるラグビーの現状やモメンタムは前回とは異なる。リサーチとインサイトが、キャンペーン成功のキーポイントになると思う」と語る。一方のマグナス氏は「前回行ったようなことを、日本でもやってみたいと考えている」と言い切る。

【次ページ】2社が「ラグビー」を選んだ理由

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