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  • 2018/09/04

“ホテル宇宙船”が可能に? 「宇宙での衣・食・住ビジネス」が進む理由

2000年以降に誕生した宇宙ベンチャーにより、世界の宇宙ビジネスは劇的に変化している。中でも注目されている領域のが、「宇宙空間利用ビジネス」、つまり宇宙空間を利用し、宇宙空間上でサービスを提供するビジネスである。前編に引き続き今回は欧州での動向と、国際宇宙ステーション(ISS)への取り組みを解説する。

野村総合研究所 副主任コンサルタント 八亀 彰吾

野村総合研究所 副主任コンサルタント 八亀 彰吾

野村総合研究所コンサルティング事業本部 社会システムコンサルティング部 副主任コンサルタント 専門は宇宙ビジネスを中心とした政策立案支援、国内外の宇宙ビジネス動向調査、民間企業への新規事業戦略立案など。

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宇宙空間ビジネスについて、欧州の動きを見てみよう
(©Framestock - Fotolia)

JAXAが進める宇宙イノベーションパートナーシップとは

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2018年5月、第4期中長期計画の新しい施策として、民間企業の事業化までを対象とした民間事業者などとの新しい研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」を開始することを発表した。

 これは、J-SPARCは民間企業などとJAXAがパートナーシップを結び、新たな宇宙ビジネスを創出していくことを目的にした取組みである。本取り組みからJAXAが本格的に産業振興を推進していく姿勢を見せていることがうかがえる。

 J-SPARCには、以下の主な3つのターゲット領域がある。

(1)人類の活動領域を拡げるテーマ群
(2)地上の社会課題を解決するテーマ群
(3)宇宙を楽しむテーマ群


 (1)は、燃料補給・機器交換などの軌道上サービスや、宇宙探査活動に資する遠隔存在技術を活用した事業だ。

 主なターゲットは、月・惑星探査関連ビジネスである。また(3)は、将来の宇宙旅行サービスを見据えた低軌道利用事業や、宇宙滞在を想定した衣食住分野の新規事業などを対象としている。

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J-SPARCで取り組む主な事業テーマ
(出典: JAXA報道発表

 現在JAXAはJ-SPARCの活動の中で、「地球低軌道(LEO)有人活動における事業共創」に関するテーマ募集を行っている。すでに、宇宙空間利用における新ビジネスの立ち上げを見据えて稼働していると言ってよいだろう。

欧州でも動き始めた宇宙空間利用

 前編では、米国及び日本の宇宙空間利用について近年の動向を整理した。宇宙空間利用に積極的に動き出しているのは、何も米国や日本だけではない。

 欧州宇宙機関(ESA)も国際宇宙ステーション(ISS)を利用した宇宙空間利用を推進しているのだ。

 2018年6月、欧州で初となる商用利用を目的とした実験環境プラットフォーム「ICE Cubes」が、ESAのISS内の研究棟であるColumbus内にオープンした。

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ICE Cubes
(出典: ESA Webページより)

 ICE Cubesは10cm四方の小さな空間を12箇所提供することのできる実験設備であり、商用利用を目的としたユーザーに微少重力環境を提供するインフラである。

 ICE Cubesによるサービスは、Space Applications Servicesと連携して提供されている。同社は1987年に設立されたベルギーに拠点を置く企業であり、ESAなどを相手に有人宇宙飛行やロボットを活用した宇宙開発などに関する技術開発、システム開発などを行っている企業だ。

 ICE Cubes初のユーザーは、フランスにある国際宇宙大学(International Space University)で、2018年6月29日にSpaceXの宇宙船DragonによりISSに届けられた。

 すでに次のユーザーの打ち上げも決まっており、2018年11月に同じくSpaceXによりISSに届けられる予定である。

【次ページ】欧州でも動き始めた宇宙空間利用

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