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  • 2018/09/04 掲載

2020年のロボット業界5大予測、生き残る「当確」ジャンルを知っているか(2/2)

連載:世界のロボット新製品

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「当確」ロボットから学ぶ社会浸透3つのポイント

 ロボットが社会へ浸透していくためには何が重要なのか、当確ロボットジャンルからそのポイントを抽出してみた。

1.ロボットの使い方への正しい認知
2.ロボットに任せる業務の見直し、再統合
3.新たな価値創造

1.ロボットの使い方への正しい認知

 たとえば、ルンバ。通常の掃除機に比べると、人がやった方が早いし、部屋の隅の掃除が甘い、ときどき座礁する、といった課題がまだある。ただし、外出中や夜間に毎日掃除ができる。隅はときどき人間がやればいい。という、正しい使い方ができれば、便利な道具と言える。こういう認知を得たからこそ、普及フェーズに突入したと言える。

2.ロボットに任せる業務の見直し、再統合

 人間のやっていたことを単純にロボットに置き換えても、大きな業務効率化にはつながらない。ロボットを導入し、さらに、業務全体の見直し、再統合を行うことで、業務効率が向上すると言える。

 たとえば、Amazon Robotics(アマゾンの、ロボットを活用した物流拠点)のケースでは、いままでの倉庫でのピックアップ作業は、人間が棚の前に移動しピックアップし、また次の棚へ移動しピックアップするというものだった。これを、全部ロボットに置き換えず、棚を人間の居るところに移動させてくるというロボットを導入した。人間はピックアップに集中でき、ロボットは棚の移動に専念できる。

3.新たな価値創造

 そして、やはり、最後は新たな価値を創造できなければ、真の浸透は見込めない。手術ロボットのダ・ヴィンチでは、同じ手術でも回復が早い、という新たな価値を生んでいる。

関連記事:手術ロボットの王者「ダ・ヴィンチ」の特許切れ迫る、日本勢が続々名乗り

実証実験ラッシュが生む「PoC死」の危機

 PoC(ポック)とは、Proof of Conceptの略で、日本語では概念実証と呼ばれるものだ。新しい概念やアイデアを実証するために行う検証やデモのことを指す。ロボット業界では、ロボット開発会社が、導入を検討している企業などと「まずは(購入前に)PoCから」ということで、持ち出しで実証実験やデモを行うことがよくある。だが、結果として導入されないということも実はしばしば起こっている。

 冒頭に述べた通り、確認できるだけで、この1年に100近くもの実証実験が行われている。この中で、ロボット企業側に実際に支払いが行われているケースは多くないだろう。結果、ロボット業界は、売上も立たない実証実験の対応に、日夜追われることになる。大手企業ならば、営業部門がクライアント企業に導入を進めるために、開発部門の開発作業を止めてまで実施していることもあるはずだ。

 この負のサイクルの果てに、プロジェクトが、場合によってはロボット企業そのものが破たんすることを、「PoC死(ぽっくし)」と呼びたい。

 これを避けるために一番重要なのは、2020年以降をきちんとイメージすることだ。企業である以上は年度単位の目標があるのは当然であるし、時には短期的になってしまうのは理解ができる。ただ、ロボットの普及、浸透にはまだまだ時間がかかるのも間違いない。2020年という大波を乗り切って、その先に向けての取り組みをどうか目指してもらいたい。

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