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  • 2018/07/26 掲載

ロボティクス企業 世界トップ50、トヨタやソフトバンクが「次に」投資する企業は?

ボストン ロボティクス&AIサミットレポート

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ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が今後7年間の成長を上方修正するなど、ロボティクス産業の規模が急成長している。さらにロボティクス業界のトレンド、ニュースなどを扱う業界紙RBR(Robotics Business Review)は、6月にボストンで開催されたロボティクス&AIコンファレンスで2018年のロボティクス企業トップ50を発表した。今、業界ではどのロボティクス企業がどんな理由で注目されているのか、またロボティクス産業への投資動向を解説する。

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

執筆:米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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ABBのYuMi
(画像:ABBグループ)

ロボティクス市場は27兆円規模へ

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 世界のロボティクスへの需要は急速に高まっている。

 ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)による2014年時点での予測では、「2025年のロボティクス産業の規模が670億ドル(約7兆5,000億円)規模に成長する」とのことだった。

 3年後の2017年にはこの予測を上方修正し、「870億ドル(約9兆8,000億円)規模」とした。内訳は軍事産業関連が165億ドル、産業用ロボットが244億ドル、商業用ロボットが228億ドル、そして消費者向けロボットが230億ドルだ。特に上方修正が大きいのが商業用および消費者向けロボットの分野だ。 

 またロボティクスにAIの要素や自動運転も含めた予想を発表しているトラクティカ社は、ロボティクス産業の規模は2022年には総額で2,370億ドル(約27兆円)規模に成長するとしている。

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ロボティクス市場の成長
(出典:BCG)

 BCG、トラクティカ両方の予測で共通しているのは、従来型の重厚長大型ロボットは徐々に姿を消し、新型のより小型軽量化され操作のしやすいロボットに置換されるだろうという点だ。

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工業/非工業におけるロボティクスの収益合計(世界市場、2016年-2022年)
(出典:トラクティカ)

ロボティクス企業トップ50とは?

 こうした潮流の中、今注目されているロボティクス企業とはどのようなものなのか。RBRが選んだ企業トップ50は規模のみではなくそのアイデア、将来性、独創性などを加味したもので、現在企業が求めるロボティクスの姿を浮き彫りにしたものと言える。

 まずトップ50を選ぶにあたり、RBRではAI、自動運転、コンポーネント、製造、サプライチェーンという5つのカテゴリーを設定した。この5つの分野は現在オートメーションに向けて最もアクティブな産業の代表でもある。

 まずはトップ50に選ばれた企業を以下に紹介する。

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RBRが選んだトップ企業50

AIの注目企業

 まずAI部門だが、現在のところAIを使ったロボットアプリケーションはカスタマー・サービス、ヘルスケア、金融などがメインでチャットボットの形が大部分を占める。しかしロボットオペレーションにAIを組み込んだ「スマート・ロボット」市場は今後飛躍的に拡大すると予想される。マーケット&マーケット社によるとこの分野のCAGR(年平均成長率)は年間23.7%の成長を続け、2018年には50億ドル弱の市場規模だが、2023年には150億ドル弱に達する見込みだという。

 AIとロボットの関係性はオペレーティングの際のエコシステム作りに影響する。業界リーダーの一角であるインテルの場合、3Dカメラとドローンを含むエコシステム作りに取り組んでおり、ナビゲーション性能の向上、対象認識能力、関連するロボットの一元管理などをAIを用いてより効果的かつ便利にしようとしている。

 またAIは既存のシステムの自動化にも用いられる。たとえばブレイン・コープ社ではTennant社と提携し、商業用の床清掃ロボットをAIを使って自動運転化する取り組みを行なっている。

自動運転の注目企業

 自動運転システムは現在のロボティクス技術の中でも最も注目されている分野の1つだ。フロスト&サリバンでは自動運転市場は2030年には1,730億ドル規模に成長すると予測している。

 中でも人身事故への批判が起きたにも関わらずそれを乗り越えてレベル5の完全自動運転システム導入に取り組むテスラ、ウーバーへの評価が高い点が注目される。ソフトバンクによるライドサービス部門への投資も米国では大きな注目を集めた。

 自動運転は陸上だけではない。リサーチ&マーケット社によると、ドローンを含むUAVは2018年には200億ドル規模だが、2025年には523億ドル規模に成長する。ドローンでは中国のDJIが圧倒的なシェアを誇るが、ULCロボティクス社では有翼のドローンによりインフラ視察を行うなど、従来ヘリコプターによって行われていた大規模なチェック作業をドローンのみで行うプロジェクトを進行中だ。

【次ページ】コンポーネントの注目企業

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