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  • 2018/11/01

IBMのRed Hat買収、MSとNECの経営陣に聞いた「評価」

米IBMが10月28日(米国時間)、ソフトウェアベンダー大手の米Red Hatを総額340億ドル(約3兆8000億円)で買収すると発表した。IBMにとって過去最大規模の買収額となる。果たしてIBMの思惑とはどのようなものか。そして、クラウド市場にどのような影響があるのか。筆者なりに考察したい。

ジャーナリスト 松岡 功

ジャーナリスト 松岡 功

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。危機管理コンサルティング会社が行うメディアトレーニングのアドバイザーも務める。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

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IBMのジニー・ロメッティ会長兼社長兼CEO(右)とRed Hatのジム・ホワイトハースト社長兼CEO
(写真:日本IBM)

世界一のハイブリッドクラウド・プロバイダーに

「IBMがRed Hatをこんな巨額で買収するとは本当に驚いた」――。日本の大手ITベンダーの首脳に今回の買収発表について聞いたところ、こんな答えが返ってきた。それも無理はないだろう。この首脳に限らず、全世界のIT関係者が驚いたニュースだった。

 IBMとRed Hatによる共同発表のリリースでは、タイトルに「クラウド業界を一変させ、世界一のハイブリッドクラウド・プロバイダーに」と銘打ち、「クラウドへのオープンなアプローチを提供し、過去に類を見ないセキュリティと可搬性をマルチクラウド環境全体で実現する」としている。

 Red Hatが提供するオープンソースソフトウェア(OSS)製品は、特定のベンダーに依存しないオープンな開発コミュニティ活動に基づいており、最近ではクラウド市場での存在感も増してきている。

 基盤となる製品はOSのLinuxで、これまでに多くのITベンダーとパートナー関係を構築してきている。OSSであるLinuxはオンプレミスのエンタープライズシステムのおよそ3割に使われ、そのうち8割ほどがRed Hat製品とも言われている。

 つまり、今回の買収はまず、IBMにとってそうしたRed Hatの顧客企業を手に入れたことが直接的な収穫となる。しかも、それらの顧客企業の多くがこれからクラウド環境へ移行するポテンシャルがあることが、IBMから見たRed Hatの大きな魅力であり、買収に動き出した最大の思惑だと筆者は捉えている。

 IBMのジニー・ロメッティ会長兼社長兼CEOは、今回の発表について次のように述べている。

「この買収により、クラウド市場は一変するだろう。IBMは顧客企業のビジネス向けたクラウドの真の価値を引き出すオープンクラウドソリューションを提供する世界一のハイブリッドクラウド・プロバイダーになる」

 また、Red Hatのジム・ホワイトハースト社長兼CEOも、「IBMと力を合わせることで、デジタル変革の基盤としてオープンソースの影響力を促進するための規模やリソース、能力が得られ、Red Hatの顧客層もさらに幅広くなるだろう」との見方を示した。

 ちなみに、買収は2019年下半期に完了する見通し。買収後、Red HatはIBMのハイブリッドクラウド・チーム内の独立部門として活動し、ホワイトハースト氏はその部門責任者としてIBMの経営チームに加わる予定だ。

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「ハイブリッド&マルチクラウド」をテーマにアピール
(出典:レッドハット Webサイト

【次ページ】「土俵を変える」、すなわち「ゲームチェンジ」に挑戦

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