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- 2019/08/21 掲載
Windows 10アップデート、秋のリリースは「Service Pack」的なものに回帰する?
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など
秋リリース予定の次期バージョンのテストがようやく始まる
Windows 10は「半期チャネル(Semi-Annual Channel、SAC)」のリリースサイクルで、年に2回、新バージョンがリリースされます。SACが現在の形になるまで、たびたび変更が行われてきました。最近のSACのサポートポリシーやリリースサイクルの変更点については、この連載の以下の回で説明しました。Windows 10は、春(3月頃)と秋(9月頃)に新バージョンのビルドが完成し、その後、Windows InsiderのRelease Previewリングでのテストを経て、一般提供されます。各バージョンは原則として18カ月、品質更新サポートが提供されます。秋のリリースについては、EnterpriseおよびEducationエディションに限り、30カ月のサポートが提供されます。
この連載の第8回では、Enterpriseエディションを利用する企業は30カ月の秋リリースをターゲットにすることで、テスト期間を6カ月とした場合、最大で2年ごと(24カ月)のサイクルでの長期運用ができると説明しました。
2019年7月1日にWindows Insiderにおいて、この秋リリース予定の次期バージョン(通称、19H2)のテストが始まりました。次の次のバージョン(通称、20H1)のテストは2019年2月から始まっているにも関わらず、なかなか19H2のテストが始まらないため、その扱いについてさまざまな臆測を招きました。
毎月の品質更新プログラムと同様の技術でアップデート可能に
しかし、19H2のテスト開始と同時に以下の公式ブログで発表された今後の機能更新の方針変更により、企業における長期運用はより柔軟に検討できることが、具体的に見えてきました。Evolving Windows 10 servicing and quality: the next steps
https://blogs.windows.com/windowsexperience/2019/07/01/evolving-windows-10-servicing-and-quality-the-next-steps/
これまでの機能更新は、OSの入れ替えと設定やアプリ、データの移行を伴うアップグレードインストールでした。アップグレードインストールは、ハードウェアやアプリケーションの互換性問題が影響するため、特に企業においては事前にテストすることが重要です。
上記ブログでは、Windows 10バージョン1903(通称、May 2019 Update、19H1)に対しては、毎月の品質更新プログラムと同様の技術で機能更新が提供されることが発表されました。
つまり、品質更新プログラムをインストールするのと同様のエクスペリエンスで、短時間かつ痛み(互換性問題など)を伴うことなく機能更新を行えるようになるというのです(画面1)。
【次ページ】大型更新は実質年1回、秋リリースはService Pack的なものに?
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