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  • 2019/11/06 掲載

インドのスイーツ・パン市場が急成長、絶好の投資チャンスか

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“甘いモノ”に対する風当たりは世界的に強い。健康志向の消費者のニーズは、グルテンフリー、ロカボ、ホールグレイン、オーガニック、パレオダイエットを意識した商品に向かっている。既存のベーカリー商品も、ナッツ類、ヨーグルト、フルーツを利用した商品に取って代わられている。成長著しく、消費者がめきめきと洗練されていくインドのスイーツ・パン市場でも変化がみられる。人口13億の大国のスイーツ・パンビジネスは甘いのか、甘くないのか。

エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー、大塚賢二

エクシール・エフ・エー・コンサルティング ガガン・パラシャー、大塚賢二

ガガン・パラシャー

IILM卒。財務分析、投資コンサルティング、ビジネス調査の経験を経てBig4系列で法人事業コンサルティングに従事。その後X-Ciel Consulting Pvt. Ltd.を立ち上げ、エクシール・エフ・エー・コンサルティングに参画。インド北部ノイダで活躍中の気鋭のコンサルタント。


大塚賢二

東京大学法学部卒。金融機関、Big4系列コンサルティングファーム勤務等を経て現在、株式会社ファルチザンの代表を務める。中小企業の海外進出、金融機関の経営管理・内部統制の支援に注力。エクシール・エフ・エー・コンサルティングではガガン・パラシャーとともに中小、ベンチャー企業のアジア進出を支援。

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インドのスイーツ・パン市場は今後成長が見込まれる
(Photo/Getty Images)

インドのスイーツ・パン需要

 いま、インドでスイーツ・パン類製品が注目を浴びている。ここ数年でインドのスイーツ・パン類市場は72億2,000万ドル(2018年)規模にまで拡大した。2019年~2024年にかけ、年率9.3%の伸びで120億ドル市場に達すると予想されている。

 インドでいうところのスイーツ・パン類は、ビスケット、ケーキ、ペストリー生地、ロールパンのほか、日本ではあまりなじみのないトルティーヤやチャパティといったフラットブレッドなど。原料となるのは、ライ麦、トウモロコシ、小麦、オーツ麦などのさまざまな穀物だ。そのほか、焼き上げる際には水分、卵、ベーキングソーダ(重曹)・ベーキングパウダー、ナッツ類などを混ぜ込む。

 グルテンフリー、ノンシュガー、減塩、低タンパクのスイーツ・パン類製品に対する需要は過去5年間で3倍に伸びている。つまり「手っ取り早く必要な栄養が取れ、かつオーバーカロリー/塩分過多にならないスイーツ・パン類製品」が注目されているのだ。

スイーツ・パン類市場の成長要因

 以前は、消費者の嗜好や品質管理に向けた製造業者の関心が薄かったが、人々の暮らしや、暮らしに関する企業活動において情報への感度が高まるにつれ、インドではさまざまな種類の小麦粉など高品質の材料へのニーズが高まり、それに合わせて多様な素材が利用できるようになった。そのおかげで、健康的で長持ちする良質のスイーツ・パン類が出回るようになってきている。

 また、近代化が進み企業の人材育成システムも発達してきているインドでは、その巨大な生産年齢人口を背景に、人的資産の面でも、ますます高まるニーズに対応して品質のよい商品を作ることができる技量を持った人材の活用も可能になってきている。

 インドのスイーツ・パン類市場の成長の要因は、他にもある。

 まず1つ目は、特にパンとビスケットが日用消費財(FMCG)とみなされ、インドでは毎日のように消費されていることだ。この2品目は、特別な場面に出てきたり普段と違うぜいたく食として供されたりすることのあるスイーツ類とは一線を画し、空気や水と同様、摂取するのが当然といえる日常食・主食の位置を占めている。これらが市場を底上げしている部分が大きい。

 2つ目は、ファストフードチェーンの拡大によるパンの需要増加だ。ここ10年くらいで、インドには以前から進出している外資系のマクドナルド、ドミノピザ、ケンタッキーフライドチキン、ピザハットといった勢力だけでなく、インドのファストフードチェーンがムンバイやデリーといった都市/人口集中地に参入/成長/出店しており、13億人を抱えるインドで、急速にパンの需要が増えているのだ。

 3つ目は、こだわりの食材利用など、付加価値の高い商品の増加だ。これまでのインドのスイーツ・パン類業者は、消費者の好みにフィットした商品開発にあまり力を入れてこなかった。それが、デジタル媒体を駆使して情報を得る主要な購買層の10代~30代の多様な価値観に応える商品を提案しなければ、売上に大きく影響する環境へと変わってきているのだ。食材や見た目に工夫を凝らした商品が人気を呼び、インドのベーカリー市場の伸びに拍車をかけている。

 そして4つ目が食習慣の欧米化だ。ここ2~3年のインド人の食生活は伝統的なカレーやターリー(いくつかの料理が組み合わされ、大皿にまとめられて提供されるインドの代表的な料理の提供形態)を中心とした家庭での食事から、手軽に食べられる個食や外食にシフトしてきており、それにしたがってやはりスイーツ・パン類の需要が伸びているのだ。

【次ページ】インドでもノンシュガー、減塩、低タンパクが人気

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