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  • 2019/12/02 掲載

VRはハラスメント防止に役立つのか? 「当事者として体験」すると見えてくること

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仮想現実を作り上げるテクノロジーとして注目を集めるVRだが、VRでハラスメントを受けたら、果たしてそれはどこまでリアルに感じられるものなのか。シルバーウッドと日本能率協会マネジメントセンターの共同企画で開発されたマネジメント教育研修プログラムを、VRを使って体験してきた。

執筆:フリーランスライター 吉田育代

執筆:フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

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VRゴーグルを装着(シルバーウッド VR事業部 堀江加代子氏)


VRはエンターテインメントだけではない

 VRといえばまだまだゲームやエンターテイメントが主戦場と思われがちだが、そのほかのシーンでも活用され始めている。

 これを企業や組織環境に目を転じてみると、今、深刻な問題となりつつあるのがハラスメントだ。男女、世代間、職位の意識差などから出てくる職場での心ない行動・発言。それらは今や、訴訟にまで発展するリスクをはらんでいる。

 こうした中、「VR認知症」という認知症理解のためのVRコンテンツをすでに開発していたシルバーウッドは日本能率協会マネジメントセンターと手を組み、ハラスメントを体験できるVRコンテンツを制作した。そしてこれをもとにハラスメントの正しい知識と予防・対策を考える研修コースを開発したのである。

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VRでハラスメントを当事者として体験してみる

 当日披露されたVRコンテンツは合計3本で、そのうち2本を視聴した。

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シルバーウッドと日本能率協会マネジメントセンターは、ハラスメントを疑似体験できるVRコンテンツを開発した

 1本目は、体験者が中間管理職(課長)の女性になるというものだ。デスクで仕事をしていると新人社員が企画を持ってやってくる。これに対し、“私”は厳しい態度で応じる。企画の内容がなっていないと難詰したり、別の新人社員の方がいい企画を持ってきたと比較したりする。また、頼んだ別の仕事も「まだできていない」と聞いて、さらに苛立ちを募らせる。

 場面は変わって小会議室。“私”は部長に一人呼び出されている。今期の営業成績がなってないと机をバンバン叩きながら叱責する部長に、しどろもどろの言い訳をする“私”。さっきの新人社員は“私”にハラスメントを受けていると部長に報告したらしい。

 部長は“私”が結婚もせず、子どももいないから、若い社員の気持ちがわからないんだとなじる。今後の巻き返しを約束させた部長は、先に会議室を出る際に“私”の至近距離まで寄って顔をのぞきこんでいった。コンテンツ尺は約5分。

 2本目は、体験者が新人社員になって所属チームの会議に参加するというものだ。くだんの部長はまた机をバンバン叩きながら、チーム全体に雷を落としている。特に攻撃されているのがエース社員で、介護で思うように時間が取れなかったという彼を部長は執拗に責める。

 しかし、体育会系のエース社員はめげることなく「これから巻き返す」と答え、「それならいい」と部長の機嫌が一転するが、周囲のメンバーの顔は強張っているところでコンテンツは終わる。こちらのコンテンツは約3分の長さである。

【次ページ】VRだから感じられた至近距離の「圧迫感」

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