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- 2020/09/15 掲載
私の音声アシスタント「Cortana」さん、これまでの技能を失い新人に戻る
IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など
Windows 10バージョン2004以降の「Cortana」のこの先
マイクロソフトは2020年2月末に次のWindows 10リリース、つまりWindows 10バージョン2004以降における「Cortana」の変更点について予告し、2020年8月1日に「Upcoming changes to Cortana」というタイトルのサポート情報を公開しました。Upcoming changes to Cortana(最終更新日:2020年8月1日)
簡単に言うと、新しいCortanaは、生産性、セキュリティ、およびプライバシーの強化を目指して、「Microsoft 365」(旧称、Office 365)のAIで強化されたアシスタントサービスにシフトしていくこと、そして旧Cortanaのサービスは段階的に縮小されていくということを説明しています。
米国地域およびen-USロケールのみでサポートされていた「Cortanaスキル」の機能は2020年9月にサポートされなくなり、iOSおよびAndroid向けのモバイル版Cortana(Android版は日本での提供なし)は2021年初めに提供を停止、その他の製品(Surface Headphones)や関連サービスも2021年中に終了へと向かいます。
また、現在はまだ「Cortana」という名称ですが、将来的にMicrosoft 365のAIアシスタントとして別の名前が与えられるかもしれません。
Windows 10バージョン2004の「Cortana」の現状と実情
筆者はCortanaを積極的に利用してこなかったので、Cortanaでどんなことができるのか詳しいわけではありません。知っていることと言えば、定形的な会話(ジョークや歌唱を含む)やストアアプリとの連携(アラームのセットなど)などを音声入力で指示できることくらいです。これまでのCortanaは、Microsoftアカウントでサインインしなくても利用できますし、サインインするとより多くのことをできそうであることは何となく感じてはいましたが、あまり興味はありませんでした。
ただ、Cortanaを積極的に使ってきた方は、Windows 10バージョン2004に更新すると、Cortanaがこれまでと同じように使えないことに戸惑うはずです。まず、単体のストアアプリとしてタスクバーから切り離されたことには、すぐに気付くでしょう。
また以前は音声入力が必須でしたが、音声入力だけでなくテキスト入力にも対応しています。しかし、以前にできていた多くのことができないのです。
たとえば、以前のようにアラームをセットしてくれないなど、多くの指示を理解すらしてくれません。また、以前は「Cortanaさん」の呼びかけで音声入力を開始できましたが、現行バージョンにはこのウェイクワード機能は未実装です。
まるで、熟練のアシスタント(以前のCortanaにも言い過ぎかもしれません)が突然、ほとんどの技能を失い、新人に戻ってしまったかのようです。Windows 10バージョン2004のリリース時には「Cortana ベータ版(バージョン:2.2005.5739.0)」でしたが、7月中頃に「ベータ版」という文字が取れ、一応、正式版になったようです(バージョン2.2007.x以降)。それでも現状は定形的な会話とBing検索しかできないのです。
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