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  • 2021/03/03

MECとは?スライシングとは?5Gネットワークで重要な4つのテクノロジー

2020年に始まった5G(第5世代移動体通信システム)は企業が今後DXを加速する上で欠かせない重要なテクノロジーと言える。ガートナー ジャパン リサーチ&アドバイザリ部門ITインフラストラクチャ&セキュリティでバイス プレジデント,アナリストを務める池田武史氏は、5Gをデジタル戦略に生かす上で踏まえておくべき考え方と、5Gテクノロジーの特徴、自社での評価・検証を効果的に進めるための注意点について語った。

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企業は5G技術を理解したうえでデジタル戦略を描く必要がある
(Photo/Getty Images)


5Gをテクノロジー戦略上どのように位置づけるべきか

 「5Gは、すべてを記録し、分析し、未来予測に生かすデジタル時代を加速させるもの」。池田氏は、企業が5Gをテクノロジー戦略上どのように位置づけるべきかを考える際に持つべき共通認識を提示する。

 DXは5Gだけで成し遂げられるわけではなく、AI、IoTなどさまざまなテクノロジーの組み合わせだが、やろうとしていることは、リアルの世界のデータを効率よく集め、記録し、分析し、「よい未来予測」をすることに尽きる。「よい未来予測」を何に生かすのか、ビジネス上の意思決定か、それとも製品・サービスの改善か、業務効率化に生かすのか、という視点が必要になる。

5Gと4Gの大きな違い

 5Gと4Gでは何が違うのか。ポイントの1つは「サービスのスコープ」にある。従来の4Gまでの移動体通信は、基本的に「人」を追いかける通信サービスだったが、5Gはスコープが一気に広がり、機械やコンピューター、その他デバイスとの通信を行うこと視野に入れて開発されている。これが4Gとの大きな違いだ。

 2つ目のポイントは、データの解像度の違い。5Gの特徴とされる「高速」「低遅延」「高密度」の通信が、リアル世界の時間や空間の分解能を向上させる。ビジネスの中にある『人と人』『人とモノ』『モノとモノ』の間のインタラクションを向上させる可能性があるということだ。

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5Gの3つの基本特性
(出典:ガートナー)

5Gがデジタルビジネスに価値を発揮し始めるのはいつか?

 ガートナーが2020年1月、日本国内の企業約500社を対象に実施した調査では、「5Gが、AIやIoTのテクノロジーの普及を加速すると思うか」という質問に対し、65%が「3年以内にそうなると思う」と答えた。「3年より先にそうなると思う」と答えた20.4%の企業も含めると、大半が5Gを前向き捉えていることが分かった。

 「ただ、この期待感はやや過剰です。5Gがデジタルを加速し始めるには、もう2~3年の時間を要します」と池田氏は注意を促す。

 たしかに、すでに5Gの商用サービスは始まっているが、これはまだ初期段階であり、4Gのインフラ上でモバイルの高速通信を主体とするサービス提供しているに過ぎない。企業のデジタル戦略にとって5Gが価値を発揮し始めるのは、制御システムなどに組み込まれる低遅延などの仕様が確定し、標準化されてサービス提供が始まる2~3年先だと予測される。

「では、それまで何もせず“待ち”の状態でよいのかというと、そうではありません。採用の時期については冷静に見極めなければなりませんが、これから2~3年の間、5Gの評価・検証、テクノロジーを成熟させていく過程に企業も関わっていく必要があります」(池田氏)

CIOが注目すべき4つの5Gテクノロジー

 しかし「関わっていく必要がある」といっても、5Gの何に着目し、どう関わっていけばよいのだろうか。池田氏は「ユーザーの立場ではなく、ベンダーの立場、テクノロジーを提供する立場で捉えるべき」と提言する。

 5Gは、単にスマートフォンが高速になるという話ではなく、都市開発や土木・建設・物流、農業・畜産業、金融など、さまざまな業界のビジネスにおいて、デジタル化を加速するポテンシャルを秘めている。そのポテンシャルを解放するには、それぞれの業界の知見を持つ中の人が5Gサービス提供者の立場で“使いどころ”を考えていく必要があるのだ。

 着目すべき5Gのテクノロジーは4つあると池田氏は話す。ここから先は、その4つのテクノロジーについて詳説する。

【次ページ】1)マルチアクセス・エッジ・コンピューティング(MEC)

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