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  • 2021/04/09 掲載

DaaSとは何か?わかりやすくVDIやデスクトップ仮想化との違いを解説する

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仮想デスクトップ環境を提供するサービスの一種であるDaaS(Desktop as a Service)。VDI(Virtual Desktop Infrastructure)との違いや提供形態による違いはあるのだろうか。本記事では、DaaSの基本知識とVDIとの違いについて解説していく。また、コストや運用面などから仮想デスクトップ環境のタイプを選ぶポイントについてもまとめた。
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DaaSはクラウド上からデスクトップ環境を提供する


DaaSとは何か?

 DaaS(ダース)とは、Desktop as a Serviceの頭文字をとった言葉だ。企業によって少し定義は異なることもあるが、個人のデスクトップ環境をクラウド上から仮想のデスクトップとして提供するサービスのことである。DaaSを利用することで、利用者はフル機能を備えたパソコンを用意する必要なく、シンクライアントのような簡易な端末でハイパフォーマンスなデスクトップ環境を利用することも可能になる。

●DaaSの提供形態
 DaaSの提供形態は主に「プライベートクラウド」「バーチャルクラウド」「パブリッククラウド」の3種類。自社でDaaSを利用する場合は、どの提供形態にするか、メリットとデメリットを勘案して選ばなければならない。

●DaaSの展開方式
 DaaSの展開方式は、展開規模により以下の3種に分類される。
  • ・フルクローン方式
    元となる1台の仮想デスクトップを複製して、利用者に展開する方式。利用者自身でアプリケーションの追加インストールができる。
  • ・リンククローン方式
    元となる1台の仮想デスクトップのOSイメージを複数の利用者が共有して利用する方式。個々の利用者はアプリケーションの追加インストールはできず、元の仮想デスクトップを変更しなければならない。
  • ・ネットワークブート方式
    仮想デスクトップのイメージをディスクイメージファイルとして作成。利用者は、オンラインからこのファイルを利用して仮想デスクトップ環境を利用する。

●仮想デスクトップとは
 そもそも仮想デスクトップとは、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)ともいい、仮想化ソフトを使って自社サーバ上に仮想デスクトップ環境を作成。このデスクトップ環境を利用者が利用する仕組みである。

●仮想デスクトップ導入の重要性
 仮想デスクトップの導入により、リモートアクセスするクライアント端末には重要データを保存する必要がなくなる。その結果、仮想デスクトップはセキュリティや情報漏えいリスクを防ぐ有効な手段として認識されるようになった。

 働き方改革がさらに進みテレワークが一般化してきた現代、仮想デスクトップはセキュリティや情報漏えいリスクを防ぐ有効な手段として重要性を増している。

●仮想デスクトップの提供形態
 仮想デスクトップの提供形態は、クラウドを利用する仮想デスクトップ「DaaS」と、自社内の個人PCまたはサーバを利用する仮想デスクトップ「VDI」の2種類だ。仮想デスクトップにはさまざまな提供形態があるため、コストや運用面などを検討して選びたい。


VDIとは何か?

 VDIは、自社のホスティングサーバで仮想デスクトップ環境を構築して提供する。社内ネットワーク内に設置したサーバに仮想デスクトップ環境を集約し、デスクトップの画像イメージを個人の端末に配信する仕組みだ。VDI方式のイメージは以下の通りである。

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VDIはサーバからデスクトップ環境を提供する

DaaSとVDIの違いとそれぞれのメリット

 DaaSとVDIの違いは仮想デスクトップ環境を構築する場所の違いのみである。DaaSは仮想デスクトップ環境をクラウド上に構築し、VDIは自社のサーバ(あるいは自席PC)にデスクトップ環境が構築される。両者のメリットはどこにあるのか具体的に見ていこう。

●DaaSのメリット
 DaaSの主なメリットは以下の3点だ。
  • ・初期投資を削減できる
    パブリッククラウドのDaaSを利用すれば自社内にサーバを保有する必要はなく、初期投資を削減できる。
  • ・ユーザ数の拡張や縮小が柔軟に可能
    ユーザ数の拡張や縮小もパブリッククラウドのDaaSならすべてサービス事業者に任せられる。そのため、手間がかからず柔軟に対応可能だ。
  • ・運用面の負荷低減
    仮想デスクトップ環境のメンテナンスやシステム障害の対応など運用面の負荷も、パブリッククラウドのDaaSならサービス事業者が負担する。

●VDIのメリット
 一方で、VDIの主なメリットは以下の3点だ。
  • ・自社でカスタマイズがしやすい
    自社サーバ上に仮想デスクトップ環境を作成するため、自社に合わせたカスタマイズがやりやすい。社内システムなど独自に使っているシステムやアプリケーションが多い場合は、VDIのほうがメリットとしては大きい場合も少なくない。
  • ・独自の運用管理ができるため信頼性や継続性に優れている
    SaaSモデルでは、サービス事業者が運用管理を行う。自社で運用管理をしなくて済む一方で、「どこまで運用できているのか」という信頼性は不透明。また、サービス事業者がいきなりサービスを終了する可能性も捨てきれないだろう。

     VDIで独自の運用管理をしていれば信頼性について不安を抱くことなく、自社が考えるレベルの信頼性を追求できる。継続性についても、自社で不要となるまで継続できるため、サービスがなくなるという不安がない。
  • ・管理方式も自社の方針に沿って決定
    SaaSモデルの場合サービス事業者が管理するため、どのような管理方式にするかは自社では決められない。VDIの場合、管理方式をどのようにするか、自由に決められる点は大きなメリットだ。

【次ページ】DaaSの3形態

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