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  • 2021/04/02 掲載

「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」対策まとめ、試験解説と教材一覧

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AWS(Amazon Web Services)はAWSに関する知識・スキルを測る認定試験を複数開催していますが、その中でもAWSの設計思想と実際の使い方を学ぶ上で非常にバランスが良く、AWSを本格的に使い始める人に ピッタリな試験が、「AWS 認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS SAA)」の試験です。AWSの専門家が同資格の概要および、参考にすべき学習教材を紹介します。きっと試験対策の一助になるはずです。

佐々木拓郎、林晋一郎

佐々木拓郎、林晋一郎

佐々木拓郎
NRIネットコム株式会社 クラウド事業推進部 部長。専門はクラウドに関するコンサルティングから開発まで。クラウドの対象範囲拡大にともない、AIやIoTなど様々な領域に進出することになる。趣味は新幹線でワインを飲みながらの執筆。新幹線でソムリエナイフでワイン開けてる人がいれば、多分佐々木です。資格本を書いたことを契機に、重い腰をあげてワインエキスパートの受験申し込みをした。

林晋一郎
NRIネットコム Webインテグレーション事業部。オンプレミス、クラウドを問わずシステムインフラの構築・運用業務を担当。次々に登場する運用管理面の新サービスをいかに現行システムに取り込んで いくかを考えるのが専らの悩み事。いま一番気になるサービスはAWS Systems Manager。AWSでの業務システム運用はこのサービスが鍵になるのではと考えている。

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試験の概要に加え、使うべき7つの教材を紹介する
(Photo/Getty Images)
※本記事は『AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト 改訂第2版』を再構成したものです。

「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」とは?

 AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイトは、その名のとおりソリューションアーキテクト担当者向けの試験です。

 ソリューションアーキテクトは多岐にわたる役割を持っているため、具体的なイメージがつかみにくいかもしれません。日本語に直訳すると「問題解決のための仕組みを設計する人」で、アーキテクチャ設計原則に基づき具体的なシステムの構成を決定していく役割や、ソフトウェア・インフラ担当者などの技術スタッフと協力して詳細な設計をしていく役割があります。

 AWS認定ソリューションアーキテクトには、AWSのサービスを適切に選択し、可用性・拡張性・コストなどシステムに必要な要件を満たした設計をする能力が求められます。



出題範囲と割合、対象サービス

 出題範囲については、まず試験ガイドを読んでください。試験ガイドは、SAAの公式ページから「試験ガイド(SAA-C02)のダウンロード」ボタンでPDFとして取得できます。

 試験ガイドには試験の範囲と割合が記載されており、以下のとおりです。

分野 割合
レジリエントアーキテクチャの設計 30%
高パフォーマンスアーキテクチャの設計 28%
セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャの設計 24%
コスト最適化アーキテクチャの設計 18%

  1. 試験時間:130分
  2. 問題数:65問
  3. 解答方式:択一選択問題/複数選択問題
  4. 合格ライン:720点(得点範囲:100 ~ 1000点)

 上記の表にある「分野」というのが、問題を解く上で非常に重要になります。 実は、サービスと分野の組み合わせで、答えが自動的に決まってくるものが多数あります。次の例題を見てみましょう。

●例題
 ある企業において、販売担当者が売上ドキュメントを毎日アップロードしています。ソリューションアーキテクトは、それらのドキュメントを格納するため、重要ドキュメントの誤削除防止機能を備えた高耐久性ストレージソリューションを必要としています。ユーザーによる誤削除を防ぐには、どうすればよいですか。


  1. データをEBSボリュームに格納し、週1回スナップショットを作成する。
  2. データをAmazon S3バケットに格納し、バージョニングを有効化する。
  3. データを別々のAWSリージョンにある2つのAmazon S3バケットに格納する。
  4. データをEC2インスタンスストレージに格納する。

 まず問題文の「高耐久性ストレージ」という文言に注目します。この時点で対象のサービスはS3に絞られる(注1)ので、答えはBかCになります。次に誤削除防止機能をどう実現するかを検討します。一般論として、誤削除したファイルの復活にはバージョニングが有効です。よって答えはBとなります。

(注1)本記事はAWS認定ソリューションアーキテクトの概要を説明することを目的としているため、詳細な解説は書籍を参照ください。

 主な対象サービスは以下のとおりです。他にも多くのサービスが対象になります。

・EC2 ・S3 ・EBS ・ELB(ALB)
・DynamoDB ・Lambda ・Redshift ・IAM
・ElastiCache ・Aurora ・Route 53 ・S3 Glacier
・SQS ・SNS ・CloudWatch ・CloudFormation 他

 以降で紹介する資料やツールを使いながら学習を進めていくことで、試験に必要となる広範で、実践でも役立つ知識を効果的に身に付けていけます。

学習教材(1)公式ドキュメント

 AWSの仕様の1次情報としては、公式ドキュメントがあります。サービスの機能や挙動などの仕様を確認する際には、必ず公式ドキュメントを確認する習慣をつけましょう。理由としては、AWSとして正確さが保証される情報は公式ドキュメントであることと、情報鮮度の問題です。  

 AWSでは頻繁にサービスのアップデートがなされます。そのため、2次情報であるブログや解説サイト、書籍などでは古い情報を元に解説されている場合があります。そういった際に公式ドキュメントを確認することにより、機能の差異がないか確認することができます。

 公式ドキュメントは日本語をはじめとする各国の言語に翻訳されています。しかし、公式ドキュメントはまず英語で記載されます。つまり英語サイトが1次情報となります。日本語サイトでは、日本語化が遅れること、情報のアップデートが遅いことも多々あります。また、翻訳の質に難があるケースもあります。そのため、可能な限り英語サイトで確認するようにしましょう。

●AWSドキュメント
https://aws.amazon.com/jp/documentation/

学習教材(2)オンラインセミナー(AWS Black Belt)

 前項では、1次情報としては公式ドキュメントを確認しましょうと説明しました。一方で公式ドキュメントは、個々の仕様を詳細に正しく伝えることを目的としているため、初見では情報量が多すぎて概要をざっと理解するには難しい面もあります。そんなときに重宝するのが、AWS Black Beltオンラインセミナーです。  

 Black Beltは、日本で勤務するAWSソリューションアーキテクトがサービス/機能ごとにスライドを利用してオンラインで解説するセミナーです。スライドにはアーキテクチャなどの図やグラフが多用され、視覚的にも分かりやすくなっています。その上で音声による解説もあり、チャットを通じてのQ&Aもあります。情報密度としては非常に高くおすすめです。  

 オンラインセミナー自体はスケジュールされた放送時間に聞く必要がありますが、ほとんどの資料はPDFファイルでも公開されています。また、一部のセミナーは動画アーカイブとしていつでも見られるようになっています。新しいサービスを学ぶときは、まずBlack Beltの資料を見て概要を理解し、その上で公式ドキュメントを見て詳細を確認するという流れが効率的です。

●AWSクラウドサービス活用資料集
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/
 AWSのオンラインセミナーはBlack Beltシリーズ以外にも多数あります。

●AWSトレーニングの概要
https://aws.amazon.com/jp/training/course-descriptions/

【次ページ】試験合格のために役に立つ学習教材まとめ

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