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- 2021/04/15 掲載
Windows Server 2022プレビューの評価は?次期サーバーOSの行方はわかるのか
山市良のマイクロソフトEYE
バージョン2022がメインストリームの近未来、想像するもワクワクしない?
マイクロソフトは2021年3月2日(米国時間)、Windows Serverの次期LTSCバージョンである「Windows Server 2022」を発表し、新機能の概要とともにプレビュー版(Windows Server Insider Preview)が利用可能であることを発表しました。同時に、Windows Server 2022のプレビュー版をMicrosoft Azureの仮想マシンで評価できるように「Microsoft Server Operating Systems Preview」オファーの提供を開始しました(画面1)。同一ビルドのWindows 10と一貫性のあるバージョンは「21H2」であり、2021年下半期の正式リリースが予定されています。Windows Server 2022は、Windows Server 2019をベースに、これまでのWindows Server史で最速で構築されたサーバーOSと表現され、以下の3つの新機能/強化点について解説されています。
- 先進の多層セキュリティ ・・・ TPM 2.0、システムガード(旧称、デバイスガード)、資格情報ガード、ハイパーバイザーで保護されたコード整合性(HVCI)、TLS 1.3が既定で有効、SMB暗号化における256ビット暗号化のサポートなど
- Azureとのハイブリッド機能 ・・・ Azure Arc、ストレージ移行サービス(Windows Server 2019からの機能)、Windows Admin Center(WAC)の強化など
- フレキシブルなアプリケーションプラットフォーム ・・・ Windowsコンテナーのイメージサイズの削減、KubernetesでのWindowsコンテナーのエクスペリエンス向上、グループの管理されたサービスアカウントによるAzure Active Directory依存のアプリのサポート、IPv6のサポートなど
現時点で見えている新機能とは?
どの機能も機能の差はあれ、Windows Server 2019、あるいはその前のWindows Server 2016から実装されているもので目新しいものではありません。まったく新しいものがあるとすれば、HTTPSの既定のセキュリティプロトコルが「TLS 1.3」になることと、SMB暗号化で256ビット暗号化(AES-256、現在は128ビット暗号化)をサポートすることくらいです。
Windowsコンテナーのイメージサイズの削減は、Windows Server半期チャネル(Semi-Annual Channel、SAC)で継続して行われてきました。それがLTSCバージョンで実現されるということには大きな意味があるでしょう。
現在、「Azure Kuberenetes Service(AKS)」では、Windows Server 2019のLTSCイメージが、プロセス分離モードでのみサポートされています。
また、アナウンスの中で「Azure Arc」や最新の「Windows Admin Center(WAC)バージョン2103」に言及していますが、これも現行のWindows Server 2019やWindows Server 2016にも適用される現在でも利用可能な機能であり、Windows Server 2022ならではの新機能というわけではありません。Azure Arcについては本連載でも紹介しました。
先ほどの3つの強化点のキーワードは「より一層(MORE)」ということなのだと思います。プレビュー段階の今は、バージョン情報こそ「Windows Server 2022」ですが、Windows Server 2019との違いを見つけるほうが難しいかもしれません。
【次ページ】評価するには速すぎる、新プレビュービルドは毎週リリース
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