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  • 2021/04/14 掲載

コロナ後の「出張」が激変、企業内ノマドによる「長期滞在型」がもたらすもの

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コロナワクチンの普及により安全に移動ができる社会に戻ったとしても、出張形態や管理方法の変化など「出張」の形は、これまでと大きく変化することが予想される。パンデミック収束後、ビジネストラベルはどう変わり、新しいサービスとしてなにが求められているのか。本記事では、「企業内ノマド」をキーワードに今後のトレンドを分析する。

文:杉田 真理子 企画・編集:岡 徳之(Livit)

文:杉田 真理子 企画・編集:岡 徳之(Livit)

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パンデミック収束後、出張(ビジネストリップ)はどう変化するのか
(Photo/Getty Images)

ポストコロナ社会では50%以上の出張がなくなる

 米国の業界団体であるUSトラベル・アソシエーションの調査によると、2020年12月時点でアメリカから国外への出張は、2019年の同月と比較して90%も減少した。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏も2020年11月、「ポストコロナ時代におけるビジネストラベルは、コロナ以前と比較し50%以上減るだろう」とニューヨークタイムズ主催のカンファレンスで発言し、話題を集めた。

 CNBCの2020年の調査によると、回答した米企業の多くが2~3年でビジネストラベルはコロナ以前の水準に戻るのではと予測する一方、もう元には戻らないのではと回答した企業は20%にものぼった

 ビジネストラベルは、経済波及効果のある大規模市場でもある。

 観光庁の調査によると、日本における出張の市場規模は2015年で3兆2922億円。そのままさらなる成長が見込まれていたが、2020年7~9月期の国内旅行消費額は、前年同期比56.3%減の2兆9,241億円だった。

 アメリカにおける国内外のビジネストラベル市場は、2019年は3兆3420億ドルで、推定2500万件もの職を生み出していた。

 今後、ビジネストラベル市場の復興、あるいは新たな勝機につながる人と人との交流の再活性化を考えるならば、従来の出張に置きかわる「ニューノーマルな出張」の形、そのシフトを後押しする新規サービスに注目する必要がありそうだ。

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ビジネストラベルを含む国内旅行の消費額はコロナ以降、顕著に減少

数日間の出張から「企業内ノマド」による中長期滞在へ

 ワークスタイルの変化として今後のビジネストラベルのあり方に大きな影響を与えうるのが「企業内ノマド」の存在だ。ある企業にフルタイムで勤務しながら、時間や場所にとらわれない完全リモートの働き方を行う人たちのことを指す。

 IT業界を中心に、完全リモートでの働き方を推奨する企業が国内外問わずに増えている。給料や福利厚生を保証されつつも完全リモートで働く社員は、これまでのようにオフィス近辺に住むことにこだわる必要がない。

 人口密度が高く生活費も高い都心で、毎朝満員電車に揺られて出社しなくても良いし、1つの場所にとどまり続ける必要もない。実際、都心から郊外・準郊外・田舎に引越す労働者は2020年、世界中で増加し、「ズームタウン現象」と呼ばれている。

 ビジネストラベルに関していえば、企業内ノマドの場合、限られた時間のなかで数日間だけ出張し、観光をする余裕もないまま急いで職場に戻る必要がない。数日間だけのビジネスミーティングから、滞在したい分だけ留まれる中長期滞在型のビジネストラベルへ、社会はシフトしつつある。

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今度は「企業内ノマド」中長期型滞在が主流に?
(Photo/Getty Images)

【次ページ】中長期滞在を推進するサービスやビザ

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