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  • 2021/05/06 掲載

1年後にはいよいよ現実に。「宅配ロボット」は日本でも受け入れられるか

連載:MaaS時代の明日の都市

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収束の兆しが見えないコロナ禍で、接触防止という観点から注目が集まる「宅配ロボット」。政府は2021年度中に自動配送ロボットの公道使用を認める方針を示すなど、社会実装に向けて動いている。世界ではすでに歩道走行が認められている地域もあるが、果たして日本では普及するだろうか。国内で実証実験を続けるパナソニック モビリティソリューションズに話を伺うとともに、誕生の背景や将来の展開などについてまとめた。

モビリティジャーナリスト 森口 将之

モビリティジャーナリスト 森口 将之

1962年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、出版社編集部を経て1993年にフリーランスジャーナリストとして独立。国内外の交通事情・都市事情を取材し、雑誌・テレビ、ラジオ・インターネット・講演などで発表。2011年には株式会社モビリシティを設立し、モビリティやまちづくりの問題解決のためのリサーチ、コンサルティングを担当する。著書に『MaaSが地方を変える 地域交通を持続可能にする方法』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『富山から拡がる交通革命』『パリ流環境社会への挑戦』など。

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Fujisawa SSTを走る自動走行ロボット
(出典:パナソニック報道発表資料)


EC需要の増加とともに開発された「宅配ロボット」

 コロナ禍で多くの業界が苦しむ中、活況を呈している業界のひとつが「宅配」だ。感染防止の観点から巣ごもり需要が急激に増えたことで、大都市ではフードデリバリーの自転車を見ることは当たり前になったし、小口配送用の軽トラックも増えているような気がする。

 しかし巣ごもりしていても、配送員と言葉を交わしたり物を受け取ったりする必要はあるわけで、完全な接触回避はできない。そんな中脚光を浴びたのが、無人で宅配を行う宅配ロボットだ。これがあれば完全に他人との接触を避けることができる。

 ただし宅配ロボット自体は、もちろんコロナ禍が理由で生まれたものではない。日本でも少し前、EC需要増加で宅配業者の過酷な労働環境がクローズアップされたことがあったが、なにかと人手に頼る傾向が大きかったこの業界を改革すべく、開発されたのだ。


エストニアや米国の一部では歩道走行も進む

 このジャンルのパイオニアと言えるのが、電子国家として有名なエストニアで2014年に創業したスターシップ・テクノロジーズだ。創業から2年後に米英でパイロットサービスを始め、2018年以降ニュータウンや大学内などでサービスを開始。コロナ禍もあって2021年1月に100万台のデリバリーを達成した。


 大手ではアマゾンの「スカウト」が有名だ。こちらは2019年1月から米国で試験的に導入され、現在は郊外のいくつかの地域でテストしている。

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アマゾンがサービス提供する「スカウト」の車両
(出典:アマゾン報道発表資料)

 スターシップ・テクノロジーズ、アマゾン、どちらの車両も6つのタイヤの上に長円形のボックスを載せたデザインだ。エストニアや米国の一部州では法整備も進み、歩道走行が認められている。

 日本では2019年9月に経済産業省主催で「自動走行ロボットを活用した配送の実現に向けた官民協議会」が設立され、2020年度からはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」をスタート。各地で実証実験が始まった。

 その中からここでは、官民協議会の構成員にも名を連ね、2020年から2021年にかけて2度の実証実験を行ったパナソニックの実例を、同社モビリティソリューションズへの取材をもとに紹介していこう。

【次ページ】なぜパナソニックが宅配ロボットを?

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