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  • 2020/10/01

いよいよアマゾンが実現しそうな「ドローン宅配」、宅配・流通はどう変わるのか?

コロナウイルスにより小売、飲食業界に大きな変化が訪れている。従来型の店舗経営が悪化する一方で、宅配が隆盛だ。米アマゾン、ウォルマートがコロナ下での勝ち組と言われるのはそのためだが、同時に宅配を担う流通はパンク状態で、自動運転、ドローンによる宅配システムを導入することが喫緊の課題となっている。その中で、ドローン宅配でついにアメリカ連邦航空局(FAA)の認可を受けたアマゾンの動きが今後の注目の的になりそうだ。

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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アマゾンのドローン宅配サービス

いよいよ公的な承認を受けたアマゾンのドローン宅配

 アマゾンが米FAAからパート135エア・キャリア・サーティフィケートを受けたのは8月31日。これは実質的にドローン宅配を可能とするもので、アマゾンはこれにより同社が目標に掲げていた「注文から30分以内の宅配」に大きく一歩近づいたことになる。

 ただし、これにより利用者がただちにドローン宅配を受けられるわけではなく、アマゾンにとっては「実現に向けての大きな一歩」であり、今後も安全なドローン宅配の試験を続けるという。いつ実際のドローン宅配が始まるのかは未定の段階だ。実用化に向けて、アマゾンはFAAに対し運営の安全性を実証し、実際の運営をデモンストレーションする必要がある。


 もちろんドローン宅配の実現を目指すのはアマゾンだけではない。オンライン小売でアマゾンの米国における最大のライバルとなっているウォルマート、流通大手のUPS、グーグルの親会社であるアルファベット、そしてドミノを始めとするピザチェーンなども続々とこの分野に参入している。

 135エア・キャリア・サーティフィケートを受けた企業として、アマゾンは米国で3番目となる。アマゾンに先立ち、グーグルの親会社であるアルファベットのドローン部門ウイング、UPSのフライト・フォワードがそれぞれ2019年に認可を受けている。

 実はドミノピザは、2016年にニュージーランドでドローン運営会社Flirteyと提携し、顧客の自宅にピザの宅配を成功させている。ピザに限らず、今後ウーバーイーツをはじめとする食品宅配の分野でもドローンが活躍することになるだろう。

アマゾンの宅配サービスPrime Airでのドローン配送の様子


アマゾンは大型で重量のあるものを宅配する必要がある

 ただし、比較的軽い食品宅配と、フルサービスのオンラインショッピングの宅配では事情も異なる。アマゾンが推進する「プライム・エア」は大型、重量のあるパッケージも対象となるため、より大掛かりなドローンシステムが必要となる。

 アマゾンは自社でドローンサービスも開発する企業だが、今後はドローンサービスを提供する企業とネット通販を行う小売業との提携も進むことになる。たとえばアルファベットのウイングはフェデックス、ウォルグリーンとの提携関係を築いている。フェデックスはUPSのライバルでもある流通大手、ウォルグリーンは全米最大級のドラッグストアチェーンだ。

 ウイングが担うのは重量が2~3ポンド(約1~1.5キログラム)の荷物の宅配だ。フェデックスの軽量貨物、またウォルグリーンの処方箋薬などに目標を定めている。

 これに対しUPSは2019年の時点でFAAから商業用フライトとして米国初のドローン運営認可を受けている。この認可は都市部ではなく郊外地域のみを対象としたものだが、同社のフライト・フォワードはこれもウォルグリーンのライバルであるCVSファーマシーとの提携により処方箋薬のドローン宅配に着手している。

【次ページ】アマゾン最大のライバルの動き

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