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  • 2021/07/02

日本でリモートワークが普及しない「根本課題」、どうすれば日本のDXは進むのか

「新型コロナ対策は日本企業のDXのドライバーになった」と語るSB C&S 代表取締役社長 兼 CEO 溝口泰雄氏。ただし、DXを本格化させるには、”As Is(現状維持)”に甘んじることなく、日々の進化を追求する意識を社員に根付かせる必要がある。そのための心構えとともに、同社が取り組んできたDXのこれまでについて話を聞いた。

聞き手:ビジネス+IT 林 聖人、松尾 慎司

聞き手:ビジネス+IT 林 聖人、松尾 慎司

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SB C&S
代表取締役社長 兼 CEO
溝口泰雄氏

リモートワークに見るDXの推進に向けた根本課題

 新型コロナによる外部環境の劇的な変化により、多くの企業でDXが否応なく進むことになりました。

 ただ、変化の土壌はコロナ前から醸成されてきたというのが率直なところです。実際に、少子高齢化が進む中での将来的な労働力不足や、先進7か国の中で最低水準にある労働生産性の低さが日本の課題としてかねてから指摘され、対応に向けた働き方改革が政府主導で進められてきました。つまり、このままではいずれ行き詰まることがすでに広く知られていたわけです。

 その点で、リモートワークの普及は自然な流れなのですが、ではなぜ、リモートワークがこれまで普及してこなかったのでしょうか。このことにきちんと向き合わなければ、DXの本質を見誤ることになります。

 SB C&Sの経験から言えるのは、人であれば誰でも感じる「新たなことへの恐れ」が問題の根本にあるということです。

 SB C&Sでは数年前にリモートワークの仕組みや諸制度の整備を終えていました。取り組みを通じて、時間や場所の制約がデジタル技術により打破でき、業務の大幅な効率化が見込め、SB C&Sの社員であれば誰もが知っていました。にもかかわらず、新たなことへの不安から、なにかと口実を付けて利用を避けていた面もあったのです。

 そうした中、新型コロナは、そうした状況でのまさに黒船とも言える存在になってしまいました。SB C&Sでも対応のために社員は原則在宅勤務とし、リモートワークを使わざるを得ない状況となったのです。

 その結果、リモートワークも当たり前のものとなり、緊急事態宣言下では、最大で99%の在宅勤務率を実現できました。

 その結果だけではないですが、これらの取り組みを通じて、SB C&Sの社員1人当たりの月平均残業時間はここ7年減らしているにもかかわらず、社員1人当たりの営業利益は伸びる結果につなげました。この傾向はコロナ禍の2020年度も続いています。

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残業時間を減らしながら利益を上げている

変化への意識変革で「恐れ」を克服せよ

 新型コロナが日本企業のDXのドライバーになったことは確かでしょう。ただ、DXの本質は「デジタルによる既存ビジネスの抜本的な見直し」にあります。そのため、DXを本格化できるかどうかは、今後、社員の意識を“As Is”から“To Be”にどこまで切り替えられるかにかかっています。

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 幸いなことに、SB C&Sではリモートワークでも十分、仕事をこなせることが社員に理解され、恐怖心が払拭されることで、逆に自身の業務のためにもシステムで新たな価値を生み出そうという意識が高まりました。

 電子押印の導入もその1つです。リモートワークを単に導入しただけでは、社員が離れ離れになることで業務効率化は見込めません。仕組みを補助するツールも新たに必要となるのです。

【次ページ】クラウドの普及が遅れれば、日本の国力低下が加速する

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