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  • 2021/07/03

法律家の私たちが、「憲法は同性婚を禁止している」論を“都市伝説”だと言い切る理由 (2/2)

憲法の存在意義とは何か

 さらに本質的な話をするならば、憲法の主たる目的は、国や権力が国民の権利を不当に制限あるいは侵害することの防止です。憲法第13条第1項も、次のように定めています。

「すべて国民は、個人として尊重される。」
「……幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」

 「『個人として』尊重される」はずのカップルに対し、国が性別を基準にして「あなたたちの結婚は許さない」というのは、このような憲法に違反するのではないでしょうか。

 また、結婚して幸せになろうとしているカップルの結婚について、国が性別を基準にして「あなたたちの結婚は許さない」というのでは、「幸福追求に対する国民の権利」を侵害しているのではないでしょうか。

 カップルの性別を基準にして、国が結婚を認否するのは実に前近代的なことであり、憲法にも違反するのだということを、声を大にして言いたいです。

2021年3月17日札幌地方裁判所の判決に思うこと

 2021年3月17日に札幌地方裁判所は、「国が、同性愛者に対して、結婚により生ずる法的効果の一部ですら認めないことは憲法違反である」と判示しました。

 具体的には、同性愛者のカップルに結婚によって生じる法的効果をまったく認めないことは、異性愛者のカップルとの関係で、憲法第14条第1項に定める平等原則に反すると判断したのです。

 私たちは、同裁判所がそのような踏み込んだ判決を出したことに深い敬意を表する一方で、同性婚そのものを正面から認めないことは、憲法が起草された経緯や、前述した憲法第13条第1項との関係で不十分ではないかという疑問を強く持っています。

 以上、主に憲法の条文や、日本国内での議論を中心に検討しました。

日本は国際社会で「名誉ある地位」を築けるか

 最後に、国際情勢との関係も見てみます。

 現在、同性婚が法制化されている国・地域は、世界で29カ国あります(2021年6月現在)。そのような国や地域の人々の目に、日本はどう見えるのでしょうか。結婚にあたってカップルの性別を国が(戸籍に基づいて)チェックして、国が結婚を認めたり認めなかったりする日本についてどう思っているでしょうか。

 もちろん、日本には良い面も数えきれないほどあります。しかし、冒頭でも述べたように、結婚とは(そもそも結婚をする/しないということも含めて)人生にとっての重大事ですし、また、結婚とは非常にプライベートな事柄です。そのような事柄について国が干渉するというのはどうなのでしょうか。

 憲法には、このような記載もあります。

「われらは、……国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」

 日本が国際社会においてさらに名誉ある地位を占めるためにも、同性婚が認められる日が一刻も早く来ることを切に願う次第です。

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