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  • 2021/08/04 掲載

ヤフー親会社ZHDの佐々木潔 グループCDOが提言、企業が持つデータは「誰のもの」か?

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データ活用の推進を統括する役職である、チーフデータオフィサー(CDO)。その先駆者が、ヤフーの親会社であるZホールディングス(ZHD)にてグループCDOを務める 佐々木潔氏である。2021年6月に開催されたイベントで、ヤフーCDOであった2019年に開始したデータソリューション事業の詳細とともに、DXにおけるデータ活用、データビジネスのポイントを佐々木氏が明かした。対話の相手を務めたのは、ブレインパッド 取締役 ビジネス統括本部長 関口朋宏氏だ。
本記事は2021年6月16日開催「DOORS-BrainPad DX Conference-(主催:ブレインパッド)」の講演を基に再構成したものです。

サービス間連携で、データは力を発揮する

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Zホールディングス
常務執行役員
グループチーフデータオフィサー(GCDO)
佐々木潔氏
 2021年3月、ヤフーの親会社であるZホールディングスとLINEの経営統合が完了した。新生Zホールディングスが誕生した瞬間だ。佐々木潔氏はこのZホールディングスで、常務執行役員 グループチーフデータオフィサー(GCDO)としてグループのデータ活用の推進などを統括する立場にある。

 「ヤフーはデータの会社。ならばデータを統括する人間が必要では?」とトップに進言したところ、“隗より始めよ”でヤフーのCDOに就任することになったのだと佐々木氏は話す。当時、デジタルオフィサーとしてのCDOはいても、データオフィサーとしてのCDOは、国内ではほとんど見当たらなかった。

 ヤフーは早くから積極的にデータ活用を進め、その効果を実感してきた。特に、「サービス間連携でデータを用いれば非常にパワフル」だと佐々木氏は語る。

 たとえば、Yahoo! JAPANのユーザーがYahoo!ショッピングに初めて訪れたとする。通常なら利用履歴がないため何もレコメンドできない。しかし、過去に検索やオークションなどYahoo! JAPANの他のサービスを利用していれば、そのデータを使ってレコメンドができるというわけだ。

 また、企業と企業のデータを組み合わせて利用すれば、同様に良い結果が得られるのではないかとヤフーは考えた。それが2019年に開始したデータソリューション事業だ。企業の商品開発や地方自治体の政策立案に貢献できるのではないか、というのが、最大の動機だった。

最初からうまくいったわけではなかったデータ事業

 最初からうまくいったわけではなかった。データソリューションの事業化以前にブレインパッドとジョイントベンチャーを組織してサービス検討に挑んだりもしたが、この手のサービスは良くも悪くも人手のかかるものだった。佐々木氏は次のように語る。

「分析官やデータサイエンティストが間に入って成り立つサービスで、非常に価値はあったものの、労働集約的と言わざるを得ませんでした。ジョイントベンチャー側にたくさん人材がいなければ、事業に大きなインパクトは与えられない。じくじたる思いがありました」(佐々木氏)

 そこで舵を切ったのが、人が動かなくてもユーザー側でインサイトが得られるダッシュボード型のサービス提供だ。こちらも当初はなかなか理解が得られなかったという。「これぞ欲しかったツール」とヘビーユーザーになる企業がいる一方で、(融通が利かない)画一的なツールと受け止め、「当社にはうまくはまらない」と否定的に見る企業も少なくなかった。

 そうした中、佐々木氏らが取り組んだのはサービス改善だ。ユーザーから寄せられるニーズを反映して速いサイクルでアップデートを続けた結果、格段に完成度を上げ、多くの企業から喜ばれるようになった。

 現在、組織の規模としては大企業になったヤフーだが、この分野では「ベンチャーのように動こう」が合い言葉だという。

【次ページ】「データは誰のものなのか」、その価値を発揮させるためには

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